覆面といっても・・・

有名宿を覆面訪問・・・。

少々いやらしい気持ちでこの本を手にとってみた。


「きっと、
裏があるに違いない」
「定評のある宿にもブラックな部分が・・・」などと。


しかし、
覆面取材、
といっても辛辣な表現、
悪口、
罵詈雑言などは一切なく、

著者ご本人の舌や皮膚、
感覚をその通りに書かれている、
という感じで
とても好感が持てた。


普通、
女性誌などに掲載されている宿の場合、
ライターの方が書かれているのだろうけれど、

その方がどういう方かが分からない。

宿について書くとしても、
何をよしとし、
何を理想と思うのかが分からなく、

読んでいて困惑する場合も多いのだけれど
この本の場合、
著者である『自遊人』編集長の岩佐十良さんが
「化学調味料はいやだ」とか温泉の質など
いろいろな主張があり、
そこを基準に判断されているので、

読む側としてはとても分かりやすかった。


そして、
10万円以上もするお高級なお宿から1万円以下で泊まれる
宿の紹介もあり、
今までは比較的「眺めるだけ」だった宿関係の本だったのに、

これは「行きたい！」という気持ちがむくむくわきあがる1冊となっている。


1日に5組も結婚式が入り、
大箱で祖父母のお祝いに最適（と思われるような）な宿から
記念日に静かに泊まりたい宿まで。


いろいろなタイプの宿が掲載されていて本当に読んでいて楽しい1冊。


覆面取材といっても、
宿の悪口が書かれているわけではなく
●テレビっ子には向かない
●おいしいものを食べ歩いている人には向かない
●どんちゃん騒ぎをしたい人には向かない
●いたれりつくせりのサービスを求めている人には向かない

などと書かれているので、
値段や外観、
食事の写真以外にも判断材料が増え、

就職活動と同じように「マッチング」がうまく行って
いい宿、
求める宿に泊まれそう・・・。


二人でどこ行こう？　両親とどこ行こう？　と