”プロ”の経営者とはこういう人なのでしょう

　経営者のプロフェッショナルとはこういうものか、
と感心しました。
今までで読んだ経営者についての本の中で一番興味がもてました。
さまざまなテーマごとに、
判断に迷ったこと、
それを解決していく過程、
最終的な判断、
と説明されている内容が、
ひとつひとつ参考になります。

　この本の前に、
「IBMガースナーの大変革―こうして巨象は甦った」（ダグ ガー著）、
「IBMを甦らせた男 ガースナー」（ロバート スレーター著）を読んで”予習”が済んでいたこともあり、
新しい発見より本人の視点から見た場合の確認が中心になると思っていましたが、
その予測は完全に裏切られました。
この1冊だけをよめばよかったなと思っています。
しかも、
勉強も兼ねてすこし無理をして英語で読みましたが、
知らない単語を読み飛ばしていっても筋としてはだいたいわかる程度に簡潔でストレートな表現でした。
面白くて、
多少ひっかかる部分も辞書を引く時間が惜しくて先へ先へと進んでいきました。
とはいっても英語だとそうそう速読で読み飛ばすこともできず、
それがかえって理解を深めてくれたような気もします。

　全部で５パートにわけられている構成の中で、
パート１の冒頭の数章で語られる時間の推移にそった経緯の説明が「IBMを甦??!!せた男 ガースナー」の冒頭と似ていたのですこしがっかりしました。
もしかしたら同じことしか書いていないのではないか、
という心配です。
ここであきらめていたらおしまいです。
パート２以降は、
ご本人でしか書けない具体的な内容ばかりで、
前に読んだ2冊とは迫力が違います。
多少マイナスに受け取られているようなことも率直に語ってくれます。

”経営の判断”、
”経営としての行動”の素晴らしい実例に触れたい方にお勧めします。