フォンタナ版

演奏効果抜群で、
華々しい曲ですが、
実はピアノを弾かない人が想像するほど、
すさまじく難しい曲というわけではないので、
ある意味、
お得な曲だと思います。

（ピアノを弾かない人には、
「別れの曲」より幻想即興曲の方が難しく聴こえるかもしれませんが、
実は「別れの曲」の方がはるかに難しいです）

左右の手が一致しないのはこの曲に限ったことではないので、
クロスリズムを克服出来れば、
技術的難所はそれほどなく、
こつこつ練習すれば何とかなると思います。
冒頭部は休符から始まり合わせにくいので、
まず13小節から左右を合わせる練習をするのがよいでしょう。

繰り返しが多いので、
ページ数の割に譜読みも楽です。
実質5ページほどです。


遺作で、
しかもショパン自身は破棄することを希望していた曲なので、
複数の版が流布しています。

これは通常使われている、
「フォンタナ版」によるものです。

ウィーン原典版 などには、
アルトゥール・ルービンシュタインが発見した自筆資料に基づく初校が収録されています。
ルービンシュタインは録音でもこの版を用いています。


ショパン自身の意図をより反映しているのは、
ルービンシュタイン版のようですが、
多くの演奏はフォンタナ版によるものですし、
そもそもこの曲はショパンの意図に反して公表されてしまったのですから、
この通常版でもかまわないかもしれません。