どのような本と位置づけるかで評価が大きく変わる本

読後感としては、
なんとも言えない本というのが本音です。


老経済学者の回顧本と位置づければ、
ノーベル賞級の経済学者の話題が
次々に出てくる本書は、
最高に面白い本と言えます。


一方で、
経済学者として、
経済学を理解しない素人にも分かりやすく
政策提言や、
問題点・課題を提示したものと位置付けた場合、
正直、

その評価は微妙かなと思います。


なるたけ理論的な話題に入り込まず、
平易な論理展開を心がけた後は
よく見えるものの、
いくら素人相手でも、
やや議論が乱暴なところが
多々見受けられます。
その上、
著者の勢いあるもの言いが、
それをさ
らに助長しているように思います。


「マンキューが言っている」「つまりはすべて日銀や白川総裁のせい」
「アメリカと日本は違う」

上記のような議論の帰結をする部分が非常に多いです。


しかしながら、
安倍政権の経済政策のブレーンでもある方の最新著作
ですから、
こう言った点に注意しながら、
その真意を注意深く読み解く
のが一番いい読み方になるかもしれません。