ファンディスクではあるが、ただのファンディスクとして終わって欲しくない作品

☆評価点☆

○ストーリーはノリはいつものダンガンロンパ。

決して救いの無いストーリー展開。
細かく述べるとネタバレになるので控えるが、
登場人物が一部を除いて救われないものの、
それらの苦難や衝突を乗り越えて立ち向かっていく主人公達…という構図はいつものダンガンロンパらしさがあってよかった。

ダンガンロンパをプレイした人にとっては、
最も注目されるであろう「１から２の間の物語」も、
(決して完璧ではないが)無難に繋げてみせた点に関しては、
見事としか言いようがない。


○二人の主人公の成長物語。

今作の主人公は、
初代ダンガンロンパの主人公である苗木誠の妹である「苗木こまる」と、
同じく初代ダンガンロンパの登場人物である「腐川冬子」の二人である。

「苗木こまる」は正真正銘の"普通の女子高生"というところを徹底的に描写しており、
困難や選択肢を迫られると、
うじうじして、
デモデモダッテを繰りかえし、
一人でなかなか物事を決められないといった「普通の人間」として描かれている。

いわば、
今時の作風でよく見られる「自称平凡のチート主人公」というわけではない。

そんな彼女が、
少しずつ決意を固めていき、
自分なりに困難に立ち向かっていくところはとても好感が持てた。

そして、
苗木こまるを「腐川冬子」が引っ張っていく形になるが、
そんな彼女も苗木こまるとの行動や、
初代ダンガンロンパの事件後による成長により、
作中でとても魅力的なキャラとして登場、
成長していく様子は注目である。


○随所随所に心配りがされている「ダンガンロンパ」らしさ。

ゲームジャンルこそ大きく変わった今作であるが、
前述したストーリーの他にモノクマやモノモノマシーン、
ダンガンロンパならではのパロディネタや下ネタやグロテスク描写、
そしてジェノサイダー翔を操作して、
多くのモノクマ相手に無双する…といった、
随所で光るダンガンロンパらしさやファンサービスはしっかり備わっている。

また、
ストーリー中に「限られた弾で敵を全滅させる」というパズル要素や、
謎解き要素もあるのも○。

(ただし、
パズル要素に関してはバグが、
謎解き要素はシリーズ中でもかなり簡単な分類に入るが)