げんしけん(1) (アフタヌーンKC (1144)) の感想

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タイトルげんしけん(1) (アフタヌーンKC (1144))
発売日2012-09-28
製作者木尾士目
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

本作は、某大学のオタク系サークルを舞台に、リアルなオタクライフを描き出す
コメディ漫画。「オタクの必須教養」と言ったら差し支えあるだろうが、
「オタク文化の案内役」も担っている作品。結論から言うと、とても面白かった。
本作は「一少年が『オタク』を目指す成長物語」の皮をかぶった、「良質な
シチュエーション・コメディ」だ。物語は最初、オタク趣味を持ちながらも開き直れ
ないでいる主人公 笹原が「現代視覚文化研究会」、通称「現視研」に入会する
ところから始まる。いわゆるオタクの「大学デビュー」。
冒頭で「濃い」オタクである仲間達に「オタクの何たるか」を教わってゆく笹原を
見ていると、本作は「成長物語」であるかのような印象を受ける。「成長物語」と
言うからには「目指すべきモノ」が必要なワケで、「オタク」もついに「目指すべき
モノ」になったのか……と思うと感慨深い。
「父さんにもぶたれたことないのに」のセリフや、デギン・ザビらしきキャラの
ポスターなど、オタクネタのパロディが随所挟まれているのも面白かった。
「げんしけん」が面白いのは、第一にシチュエーション・コメディとして良く
できているから、というのが理由だと思う。あとはやはり、キャラクター配置が
絶妙なコトだ。本作の人物設定には「オタクVS一般人」の対立構造が作られている。
「濃いグループ」に対し「一般人視点からのツッコミ」が入るコトで、両作は絶妙な
バランスを保てるのだ。
しかし、気になるのは木尾士目という作者の視点だ。どう考えてもこの人自身が
濃い「オタク」であろうことは間違いないのだが、この作者は同時に「非常に
リアルな一般人の視点(春日部)」も見事に描ける。作者が「対立構造」の
重要な一翼である「一般視点」を見失わなかったからこそ、この作品は面白いと
思うのだが、いかがなモンか。
今のところ「げんしけん」は間違っても「一般ウケ」している作品ではないと思う。
けれどもそれは「一般ウケしにくい」作品というコトと、決して同義ではない。

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