Karl Böhm Conducts the Complete Recordings of the Strauss Operas (Anniversary Edition) の感想

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参照データ

タイトルKarl Böhm Conducts the Complete Recordings of the Strauss Operas (Anniversary Edition)
発売日2014-02-12
販売元MEMBRAN
JANコード4053796001436
カテゴリミュージック » ジャンル別 » クラシック » オペラ・声楽

購入者の感想

カール・ベームの指揮したR.シュトラウスのオペラ全曲盤の第2集で、曲目については他のレビュアーの方が詳しくデータを書いて下さっているので、ここでは先ず音質について述べると、第1集が期待していたほど良いものではなかったので今回も当てにしてはいなかったが、意外にもまともな音が聞こえてきて概ね良好だ。『エレクトラ』と『影のない女』はいずれも初期のステレオ録音であるにも拘らず、セッションということもあって2巻全8曲を通して最も良い状態で鑑賞できる。前者はタイトル・ロールのインゲ・ボルクとオレスト役のフィッシャー=ディースカウのいやがうえにも緊張感を高める表現力が圧倒的だし、後者は世界初の全曲録音に輝いた、またR.シュトラウスの良き理解者としての実力を縦横に発揮したベームの意欲的なセッションと言える。他の2曲はライヴでそれなりのノイズは入っているが破綻もなく、音源は鑑賞に差しつかえない程度に保たれている。またベーム初演の演目『ダフネ』が1944年のウィーン・ライヴで収められているのも聴き逃せない。この価格でベームの指揮したオペラ全曲盤が揃うのは朗報に違いない。

ベームの力量は作曲家自身が彼に『ダフネ』を献呈しているように、こうしたオペラ上演にも良く表れている。高い文学的な素養が要求され、歌手への行き届いたコントロールと同時に大規模で複雑極まりないオーケストレーションを操らなければならない煩雑な作業は、彼が一般的に考えられているような堅物の指揮者のイメージからは想像できない、遥かに柔軟で融通性を持った人であったことを証明している。また解釈も現在の私たちが聴いても違和感のない新しいもので、例えば『影のない女』での終幕の抒情性は決して耽美的ではなく、来たるべき時代の知性的で洗練された趣味を先取りしている。

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