Jascha Heifetz - Portrait の感想

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参照データ

タイトルJascha Heifetz - Portrait
発売日2010-02-09
アーティストJascha Heifetz
販売元Membran
JANコード4011222328663
Disc 1 :Mozart: Violin Concerto in A major
Vieuxtemps: Violin Concerto No. 5
Disc 2 :Beethoven: Violin Concerto
Bizet: Carmen
カテゴリミュージック » ジャンル別 » クラシック » 交響曲・管弦楽曲・協奏曲

購入者の感想

ハイフェッツというとあの独特の楽器の構え方(ハイアームポジション)にくわえ、技巧派であるとか冷たい演奏だという印象が強い。私も実はそう思っていたが、その先入観を根底からひっくりかえす音楽経験をさせてもらった。この人が冷たい? ご冗談を! なにしろ聴けば聴くほどハイフェッツの魅力に取りつかれ、そうなると始末におえないことに、以前あれほど好きだった「ハイフェッツ以外」のヴァイオリニストの演奏を、もはやまえと同じようには聴けなくなってしまった。いや、それがまた楽しいのだから、音楽というものはとんでもなく奥が深い。

バッハの無伴奏パルティータ第2番は、いま聴いても実に新鮮、瑞々しさと老練を兼ね備えた堅牢な演奏解釈だ。そして、ヴァイオリン・ヴィルトゥオーソの華ともいえるコンチェルト。ブラームスとチャイコフスキーはいずれも名演ながらクーセヴィツキー(BSO)もバルビローリ(LPO)も速いテンポでオケの音もいささか粗く、ハイフェッツのベスト録音ではないかもしれないが、そのせいでかえってこの奏者の天才的な閃きがあちこちできわだってくるのがおもしろい。メンデルスゾーンは、ハイフェッツの名刺代わりといわれるが、彼なら何千回この曲を弾いたとしても誠実な演奏をしつづけるであろうという、磨き抜かれた美しさに満ちている。ともかく何を聴いてもヴァイオリンという楽器について、目からウロコがポロポロと落ちまくりだ。カルメンも凄いが、圧巻はヴィエニャフスキ! ヴァイオリンとはまず歌う楽器であるというハイフェッツの美学がここに結晶化している。そしてどれか1曲といわれたら挙げたいのがコルンゴルト、この曲は初演以来ハイフェッツが弾きつづけたことで現代のヴァイオリンのレパートリーとして定着したといわれるが、結局のところハイフェッツの演奏を越えるこれというヴァイオリニストはいまだに出ていない気がする。さらにサンサーンスのハバネラの得も言われぬ魅力ときたら。いつか、彼のサンサーンス演奏の素晴らしさを簡潔な言葉で伝えられるようになりたいと痛感。

小品の魅力も満載。不思議なことに、いわゆるロシアもしくはユダヤ的な曲は洗練されて軽やかで、かえってガーシュウィンやフォスターの曲に「濃厚な郷愁」を感じた。

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