ロールシャッハテストの所見の書き方―臨床の要請にこたえるために の感想

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参照データ

タイトルロールシャッハテストの所見の書き方―臨床の要請にこたえるために
発売日2016-10-27
製作者加藤 志ほ子
販売元岩崎学術出版社
JANコード9784753311118
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

加藤先生とそのお弟子さんの吉村先生、二人の所見が出てくる。
加藤先生は片口法
吉村先生は包括システムをベースに、継起分析等の力動的な解釈を使う、といった感じ。
全体として見ればどちらかと言うと片口寄りだが、普段包括システムを使っている人でも参考になることは多いはず。
本書で紹介されている所見の書き方は、被験者の特徴を5,6個の小項目に分け、最後にまとめを書く、というもの。
包括システムではクラスターというものがあるが、それとは別。
それはそれで面白いし、分かりやすくもあるのだろうが、個人的には、せっかくクラスターごとに解釈したのに、それをまた別の刻み方をするのはちょっとした二度手間になりそうな印象を受けた(これは包括システムの話)。
ただ、読んでいて違和感はなかったので、読み手からすれば文句はない書き方だろうと思う。

最後には、加藤先生とその弟子達によるディスカッションが置かれている(文量は40ページ程)。
多くの人が悩むような課題について話されているので、共感しやすいし、同じ悩みを共有するときの安心感が得られる。序文において馬場先生が述べられているように、特に初心者には役立つ情報が提供されている。また、初心者の悩みってこういうものだよね、という確認ができるという意味では、人に教えるような立場にある人にとっても有益なディスカッションだと思う。
ただ、約1名勉強が足りないというか、考えの浅はかさが文面に出てしまっているお弟子さんがいる。まあそういった役回りの人(分かっていない人)がいないと、本書のディスカッションは成り立ちにくい面があったのかもしれないが。
一応苦言を呈しておくと、「ロールシャッハの勉強だけでなく、その他全般的な人格理論の勉強が必要」といった旨のテーマで
「世の中にはロールシャッハだけの専門家はいるのか」との疑問に対し
「鑑別所の人とかはロールシャッハだけですよね」
とはいかがなものか。
ロールシャッハだけで鑑別ができるわけないだろう、といちいち突っ込むのも馬鹿らしい(最も、加藤先生が訂正してくれているが)。

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