コミケ童話全集 の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

Twitterで作品を公開している作者の「4ページ（画像）」に詰め込まれた内容の秀逸さと読み応えに、いつも笑い、感動していました。
童話をベースに置きながら、コミケ（オタク）ネタを散りばめ、噛むほどに滲み出てくる「わかる」が心地よいです。
絵だけを見ると「ちょっと雑じゃない？」と思うところもありますが、それ以上にキャラの表情や微妙な感情の機微が絶妙に描かれており、そこがツボでもあります。一度読むと、クセの強い登場キャラたちは脳裏に焼き付いて、定期的に思い出しては作品を読み返していました。女神おっさん。ラブコメやくざの顔芸。

書籍化にあたり一部の話には描き下ろしの続編が掲載された他、「こんなん絶対面白いに決まってるやん」というコミケ会場で各作品のキャラが一堂に会するクロスオーバー作品「おおきなかぶ」からの「コミケ童話」（計26ページ）は必読です。（読むまでこういう描き下ろしがあるのを知らなかった…）
また、各話の間に登場人物紹介や用語集が収録され、作中で語られなかった設定にニヤニヤしっぱなしです。

Twitterなどで掘り返せばもちろん今でも読めると思いますが、著者の作品は「もう読めなくなる不安」がない単行本として手元に置いておきたい、そう思わせる魅力があります。（というか、ふと「アレが読みたい」と思った時にすぐ読める安心感。）
A5サイズ160Pほどですが、内容が濃く2時間はじっくりと読んで（笑って）いられるので、ぜひ手にとって見てください。