星の王子さま―オリジナル版 の感想

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参照データ

タイトル星の王子さま―オリジナル版
発売日販売日未定
製作者サン=テグジュペリ
販売元岩波書店
JANコード9784001156768
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

購入者の感想

恥ずかしい話ですが子供の頃、読んでも理解できず、愛読してた学友は秀才か立派な家庭でした。
アニメ放送もされ頑張って観ていたらなんとなく分かってきました。
王子さまが旅して出会った大人たち。
私は地理学者以外、これに当てはまる仕事と人生を送ってきました。

俺も王子さまに会ってみたかったな。
きっと最初は面倒臭いあんちゃんと感じても…
また会おうって約束しそう。

『星の王子さま』は、やはり、大人になってみて、はじめてわかるという本なのだと思います。
つまり、失うことではじめて、その本当の大切さに気づくというプロセスを経験したものだからこそ、王子さまや大人の「ぼく」の抱いている“悲しみ”に共感できるのではないでしょうか。

私が訳も含めて慣れ親しんでいるのは、こちらのハードカバーのオリジナル版になります。
読む度に、心に響く箇所が微妙に変わってくる、実に不思議な本だと思います。
あらためて読んでいて、大人になった「ぼく」(そして、サン=テグジュペリ自身も)が、王子さまの姿を通じて、実は、子どもの時の「ぼく」と出会い、向き合っている、そのようにも感じられてまいります。

今回、私は、王子さまが故郷の星に残してきた一本の花が如何に大切な存在であったか、本当はとても愛していたのだなあ、ということに気づくところが、特に心に沁みてなりませんでした。
王子さまは、近くにいる時には、わがままやずるさがやたらと目に付いていたのに、遠く離れてみて、その花の持つ真の優しさというものを思い知ることになります。
彼女が日々の暮らしに芳しい香りと光を与えてくれる掛け替えのない存在であったということは確かだった、なのに、どうして、ぼくは彼女から離れてしまったのだろう、どんなことになっても、ぼくは逃げるべきではなかったのにね、と王子さまは寂しそうに言います。
これは、サン=テグジュペリの経験に基づく言葉のようにも思えてまいります。

最初は、世界でも稀な花という、その花の言い分を信じて大切に慈しんできたのに、地球に来てみたら、一つの庭に五千本も咲いているようなごくありふれた花=バラであったということを知り、王子さまはショックを受けてしまいます。
でも、王子さまは、その後、手間暇かけて慈しんできたからこそ、日々会話を交わして慣れ親しんできたからこそ、世界で一本しかない花になるのだよ、ということを、友だちになったキツネのお蔭で学びます。そして、「かんじんなことは、目に見えない」のだから、心で見るべきだということも。

泣きました。
感動したから?オリジナル版に接したから?それとも・・・いいえ、違います。もう、すっかり大人になってしまった自分に向かいあってしまったからです。
「大切なものは目に見えない」と知りつつも、年齢や地位などで、人を見ている私。他人に目に見えるもので、自分を守ろうとしている私。そんなつまらない私。子どもの頃、この本を読んだはずなのに、いつの間にこんな自分になってしまったのだろう。こどもの頃の本当に大切だったものをどこに置いてきてしまったのだろう。こんな大人の自分が嫌だ。涙がとまりませんでした。
大人のための童話。それは、大人になって、自分をつまらない物で飾り立てている私にとっては、悲しく辛い本でした。

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