日本の歴史13 - 江戸開府 (中公文庫) の感想
参照データ
タイトル | 日本の歴史13 - 江戸開府 (中公文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 辻 達也 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122045743 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 全集・選書 |
購入者の感想
40年も前のシリーズだが、その後数多ある歴史シリーズの中でダントツの面白さとレヴェルを誇る本シリーズ。本書はその中で、第1巻(神話から歴史へ)、第24巻(ファシズムへの道)、第25巻(太平洋戦争)などと並ぶ名編。私は個人的には1、2に挙げたい。何よりも読みやすくも、緊張感のある緻密な文体。個人、出来事、社会制度、産業、技術などバランスよく描かれ、それがばらばらではなく、対象の時代全体が浮かんでくるかのような出来栄えとなっている。家康とその側近の実際、関ヶ原、大阪の陣、その時代の社会制度、江戸という都市がどのようにできていったか、島原の乱、2代、3代将軍とその側近などが描かれ、江戸初期(寛永末期まで)のイメージが豊かになる。つまり私たちの日本の直接の起源が、分かるような気がする。それと、当時の人々が、実に思慮深く、また今の我々より、いろんな意味で元気だったような気がしてくる。実に興味深い歴史書だと思う。