北方領土問題―4でも0でも、2でもなく (中公新書) の感想

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タイトル北方領土問題―4でも0でも、2でもなく (中公新書)
発売日販売日未定
製作者岩下 明裕
販売元中央公論新社
JANコード9784121018250
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

「北方四島」の問題で、結論が4でも0でも、2でもないのであれば、当然それ以外の数字での決着を図るべきということになる。「4」は日本の勝ち、「2」はロシアの勝ち、「0」は現状が続くということ。筆者は原則論の応酬を繰り返す現状を打開するためには、どちら共ある程度満足できるように、互いがハードルを下げ、「2島+α」で妥協点を探るべきだとしている。「+α」には何の法的、歴史的根拠はないが、中ソ紛争でも根拠のない政治的妥協により解決されたという。

この考えから、中ソ国境紛争がどのように解決されたのか、係争地(主に川中島)を分け合った経緯を中心に記し、その結論から北方領土問題をどのように動かすべきかを論じた。さらに、4島を「固有の領土」とする根拠は実は法的、歴史的にあいまいであり、戦後間もない頃は「北方四島」としては扱われなかったこと、根室周辺の市民も四島一括返還よりそれにこだわらない解決を望む人が多いとするアンケート結果を示し、四島一括より早期解決が有益だとする。

やや、中ソ紛争に力点が置かれすぎている観はある(半分以上を割いている)が、四島一括返還以外の考えが国賊扱いされ、歯舞色丹の先行返還でさえ主張できないほど原則論で固まってしまった世論の中、よく出したなと思う。そして、この世論をクールダウンさせる重要な役割を果たしうる本だと思う。北方領土問題を今後話し合う上でも重要文献にもなるだろう。

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