官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (モナド新書010) の感想

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参照データ

タイトル官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (モナド新書010)
発売日販売日未定
製作者佐藤 優
販売元にんげん出版
JANコード9784931344419
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

 元外務省主任分析官の佐藤優さんだから書けるご本だなと思います。
よく報道番組で露出する政治家(それでも、所詮いわゆる「テレビ番組によく出てくる政治家」に限られますが)やテレビ局新聞社等のメディアにはまだしも意識が向きやすいですが、「官僚」という人たちの存在をわたしを含め一般人はほとんど意識しないのではと思います。陰で日本政治を動かしている官僚たちの存在を元官僚の説得力をもって可視化してくださっている本書は、類書が少ないだけに貴重な著作ではないでしょうか。
「官僚」とは、難しい国家公務員試験や司法試験などを突破した多くは一流大学出の佐藤さん曰く「偏差値エリート」の上級公務員です。「ことバンク」によれば、「役人。官吏。政策決定に影響力を持つ、中・上級の公務員」とあります。
 彼らは「自らの延命のために国民から税を徴収する階級」で「国民を無知蒙昧な有象無象と考えている。それゆえ、有象無象の国民によってえらばれた国会議員は無知蒙昧のエキスに過ぎないと見下している」と佐藤さんは一刀両断します。特に外務官僚に特権意識が強いそうですが、先日読んだ小説の冒頭で登場する俗物政治家夫婦が駐在大使と大蔵省の役人だったのを思い出して「ああ・・」と思いました。ちゃんとした方もおられるのでしょうが・・。
佐藤さんは、本書の中でマルクスの階級論を発展させ、官僚をひとつの「階級」と位置づけ、彼らに対抗するヒントをバルトらキリスト教神学者やハーバーマスら社会哲学者、また沖縄の歴史・地理学者仲原善忠らの哲学や闘い方から学び、柄谷行人さんの著作『トランスクリティーク』をテキストに、資本主義や民主主義の抱えた宿命的な問題点をえぐり出しつつ新しい時代の国家構想を提示しています。
 佐藤さんのご本なので、基本的に全編通して難しい内容で、十分消化し切れてはいないのですが、それでも明確に意識していなかった「官僚」という人たちについての無知をかなり啓蒙していただけたと思います。

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にんげん出版から発売された佐藤 優の官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (モナド新書010)(JAN:9784931344419)の感想と評価
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