日銀、「出口」なし! 異次元緩和の次に来る危機 (朝日新書) の感想

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タイトル日銀、「出口」なし! 異次元緩和の次に来る危機 (朝日新書)
発売日2014-07-11
製作者加藤 出
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022735683
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情

購入者の感想

言ってること自体は蓋然性が高そうではある。
2%のインフレということがどういうことなのか、世の中の人間が解っていないというのは、たぶん正しい。
より正確に言うならば、すっかり忘れてしまったというべきだが。
あるいは覚えている人も、幸運な形でインフレと成長が同調した記憶の方が強い、というべきか。

内容的には、筆者には悪いが、講演録がウェブ上に載っているので、正直それをよむだけでいいかも。
いまひとつまとまりがなく、結局最後はパラパラと流し読みになってしまった。
メディアン人口が若くない国家は、発想が老いやすいということなど、いくつか面白い知見も載っているのだが。

こう感じてしまった理由の一つは、量的緩和の終わり方自体は、題名通り書かれてないにも関わらず、
なにやら終盤にもごもごと「日本経済の解決策」っぽいことが書かれていることもあるのだと思う。

量的緩和(信用緩和でもいいが)は、失敗したら膨大かつ劣悪な資産が日銀にたまり、あとはどうなるか予見が
きかないというのが本当のところだろう。で、その部分はたしかに題名に忠実で、量的緩和の終了が非常に難しい
ことを指摘するに留まっている。事実、アメリカにおいてすらも、今後どうなるかは実は誰にも解らない。
(もう一度、同クラスの恐慌がこないとも限らないのだしね)
筆者としては、「こんなペースで量的緩和をやっちまった以上、最後は破滅だね」というのが本音なのだろう。

そういう本音がちらちら見えるのに、痛み止めしているうちに構造改革しろというのが打開策っぽいから、萎える。
今までできなかったことが突然できるとは思いがたいし、そもそもできる部分は既に相当やっている気がする。
その結果が、今なのだ。

構造改革と言っても幅広いが、少なくとも我が国の財政問題というところにしぼるならば、問題点ははっきり
している。社会保障費の増大と、それに反比例するかのような若年層の収入や社会保障の悪化だ。
これが今の日本経済が抱える最大の問題なのだから、それを軸にして考えるべきなんだろうと思う。

アメリカから周回遅れの日本の量的緩和は危険きわまりない。それでも出口の議論は封印されたままだ。加藤さんの本を読むとリフレを叫ぶものどもの阿呆(浜田、伊藤、熊丸etc)ぶりがよくわかる。

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