ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス) の感想

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参照データ

タイトルライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
発売日販売日未定
製作者J.D.サリンジャー
販売元白水社
JANコード9784560070512
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

レビューを書こうと思ったら、すでに235ものレビューがあって、一瞬ひるんだ。
しかし、俺には俺の見方がある。
著者のJ.D.サリンジャーは今年、2010.1.27に亡くなった。これを機会に新聞のコラムやエッセー欄にサリンジャーの追悼賛辞の記事が沢山出た。青春小説の傑作だそうで、落合恵子とか、若者に説教したがり屋が特に褒めちぎっていた。そこで俺も読んでみようと思った。断っておくが、俺は75歳のじじいだ。翻訳は野崎孝のものが名訳ということになってるらしい。
読み始めて、まず感じたのは外国映画の日本語吹き替えのあの妙なイントネーションだ。この妙なイントネーションは芸人の友近が「ディラン&キャサリン」というペアで売り出していて、俺は感心していた。この二人はまさに日本語吹き替え映画のせりふのいやらしさを見事にあらわしている。この日本語吹き替え洋画的文章もしばらく読んでいくうちに気にならなくなってきた。主人公のいんちきを見抜く直観力とその表現に思わずなんども噴出した。こんなことは俺には滅多にないことだよ。
さて、本題だが主人公の16歳の少年が、余りのはみ出しぶりに名門高校を退学になり、家に帰るまでの数日間、大人の真似をして、酒を飲んだり、娼婦を買おうとしたり、先生の家に遊びにいったりしながら、ぼろぼろになって、家にたどり着くまでの間に色々経験する。この間、色々考えたり、人物についてこき下ろしたりしながら、彼の考えを述べる。これがまさに的を射ているんだな。彼は、別に論理的とか倫理的とかに考えて、人物に対する判断をおろしているわけではないが、まさに直感的に、こいつは胡散臭い奴だとか、偽善者だ、こいつはホモだとかとか分かるんだ。でも、自分の亡くなった弟や,幼い妹は深く愛していて、心を打たれる。おれ自身も青春時代とはいわず、40・50・60になっても(俺は会社員だった)上役・同役・下役のインチキ性を身をもって感じていたから、主人公の直感がよくわかるんだ。この数日間、一体、お前はいつ家に帰るんだよと言いたくなるほど、寄り道を重ねていく。こんな話だ。
確かに、面白くて読み出したら止められないが、「青春小説の傑作」と言われる理由は俺にはよく分からない。

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