デフレ不況をいかに克服するか ケインズ1930年代評論集 (文春学藝ライブラリー) の感想

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タイトルデフレ不況をいかに克服するか ケインズ1930年代評論集 (文春学藝ライブラリー)
発売日販売日未定
製作者ジョン・メイナード ケインズ
販売元文藝春秋
JANコード9784168130052
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

すごく面白かった。

特に、リーマン前は、世界的には、ニューエコノミー、構造改革全盛で、ケインズ主義=需要不足を財政出動で埋める→そんなことしても日本の景気は回復しなかったし、借金が増え続けるだけで、時代遅れの考え方、のように言われていた。しかし、ケインズが格闘したのは、需要不足、という、その時代で支配的だった医学である古典派では診断できない奇病であり、それに対して、症状を正しく診断し、世界恐慌を行き過ぎた熱狂の報いであり、節約キャンペーンという治療法を、病状を益々悪化させる破滅的治療だと痛烈に批判し、時代の難問に応える為、経済を総体と見なす、というマクロ経済学の基本体系をほぼ独力で打ち立てた。そして、他の様々な原理がそうであるように、開祖が説明するその原理は、弟子達がその原理を神秘的で難解に権威づけするのとは異なり、シンプルで、分かりやすく、かつ情熱的である。

経済は個別効率化の集積である、という見方を否定し、
企業生産=国民所得=支出+貯蓄
企業収入=支出+投資
というシンプルな原理を提示し、投資が貯蓄を上回る時に好況に、下回る時に不況になる、大恐慌下では、投資が大幅に落ち込むが、個人の自由に任せてはこの状況は自然回復せず、長期金利を下げるほか、政府による財政支出、という人為的な治療が必要、と説いた。この理論は、苦しむ人に更なる苦痛を強いる、という道徳的に誤った治療が、理論的にも誤りである、ということを示し、行責任のある人に、行動を起こす勇気を与えた。

ただ、これだけがケインズではない。

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