男ともだち の感想

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参照データ

タイトル男ともだち
発売日販売日未定
製作者千早 茜
販売元文藝春秋
JANコード9784163900667
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者

購入者の感想

この著者の作品は初めて読んだ。流れるように自然で、よく出来ている物語だと思う。しかし。

神名に魅力を感じない。主人公に魅力を感じないというのも珍しい。
経済的に独り立ちしている。そこはいい。自分の好きなことは縛られずにやりたい。そこもいい。でも一人では居られない。だから同棲している。神名は同棲相手の彰人との関係は対等で平等で、彰人もその関係に納得していると思っている。でも彰人はそうではない。そこの想像力が神名には決定的に欠けている。

そして、その同棲相手がいなければいられない癖に医者と不倫している。この医者については論外な性格に描かれているし、神名の方にも問題は大ありなので、まあ、どうでもいいのだが。

それでも、神名に対してふざけるな、と感じてしまう。特に第三章の最後。周囲の人間は神名のお守りのためにいるんじゃない、と、もし私が神名の友人だったらはっきり言ってしまっているだろう。

そして久々に現れた男ともだちのハセオ。このハセオが、また信じられないくらい神名という女にとってご都合良く描かれている。ハセオが、神名の男ともだちとしてもう少し辛辣でもいいのに…と感じた。ハセオは神名を甘やかしすぎる。そこで急にリアリティが失われて、ファンタジーの世界に入っていく気分にさせられてしまう。そのもやもやが、少しだけ解消されるのが第六章の最後だった。

私には、この物語の中のハセオは「男ともだち」ではなくて「神名という大きな赤子を守る親」としか感じられなかった。

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文藝春秋から発売された千早 茜の男ともだち(JAN:9784163900667)の感想と評価
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