On A Chinese Screen の感想

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参照データ

タイトルOn A Chinese Screen
発売日販売日未定
製作者W. Somerset Maugham
販売元Random House UK
JANコード9780749304249
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Random House

購入者の感想

私のモーム遍歴もひとまずこの作品で終結を迎えそうです。数ヶ月前に、ある台湾出身の女流評論家のある新聞でのlotus eaterへの言及に触発されて始まった今回の遍歴も、北京五輪を直前として、この中国を題材とした作品で終わるというのも何か不思議なめぐり合わせです。この作品は一筋縄ではいかない不思議な作品です。直接的には1919−20年にかけての著者の揚子江への旅を題材としたエッセー集ということになっていますが、どこまでがエッセーでどこからが小説なのかは不明です。全体のトーンがもたらす影響を考慮してか、地名を直接的に示す言及は可能な限り避けられています。英国人や非中国人の登場人物は固有名詞がかなり使われていますが、どこまで事実なのかはわかりません。書評では中国在住の英国人の生態の批判的な描写という特徴づけがなされていますが、必ずしも皮肉な口調でのカリカチュアだけとは思えません。当時から見て過ぎ去った時代の英国人で中国でその人生を全うするであろう人物は必ずしもすべてが皮肉な形で描写されているとは思えません。むしろ同情やノスタルジーがその基調といった方がいいのかもしれません。宣教師たちは確かにカソリック宗派を除くと皮肉なタッチで描かれています。ドストエフスキーのinquisitorのパロディと思われる作品も含まれています。また西欧の文明に魅惑されてしまった中国の若き知識人の小手先の知識を揶揄した作品は、かなり辛らつなものです。ただ最後まで、私に手に負えなかったのは著者の風景描写です。この部分は英語の使い方が私の能力を超えていて退屈なほどでした。ところで2編(taipan, consul)は、short storiesに収まられている作品がここにも含まれています。

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