ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書)
発売日販売日未定
製作者リチャード・ベッセル
販売元中央公論新社
JANコード9784121023292
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

戦後70年ゆえか、現在日本の政治状況ゆえか、今年はヒトラーナチス関連の新刊本をいろいろ読むことができたが、本書はその真打となりそうな、迫力の新書本である。
原著者は約67歳。アメリカ生まれ。オックスフォードで学位をとり、ヨーク大で教えている。本書は2004年に刊行された本の全訳である。原題は「ナチズムと戦争」。本文286頁で、53頁の48頁の原注訳と5頁の参考文献がついている。新書にしてはかなり厚い本だが、読みにくさはほとんどない。
ヒトラーナチスについては、次のような疑問があり、いろいろ本を読んでも、なかなかすっきりした答は得られない。
一、 ユダヤ人国外追放政策が、なぜホロコーストに至ったのか、そして、敗戦が確定的となっても、なぜ、それが止まらなかったのか。
二、 独裁ではあっても、一応合理的政策で経済を立て直したヒトラーが、終わりのない戦争に国民を巻き込み、軍事的には致命的といえるような、アメリカとの開戦に踏み切ったのはなぜか。
三、 国土と国民が空爆で徹底的に破壊されても、ナチスも、国軍も最後まで戦ったのはなぜなのか。大資本家たちは、なぜヒトラーを止められなかったのか? 
しかし、本書はナチズムの中核要素に焦点を絞ることにより、これらの疑問に、かなり明解に答えている。(正しいかどうかは判断できないが)。その中核要素とは、「ユダヤ人種根絶戦争」である。
この理論からの答えは次のようになると思う。
一、 ナチズムの目的が「ユダヤ人種根絶」にある以上、ホロコーストは当然の到達点である。敗戦が迫っていても、この至上目的である「ユダヤ人種根絶」は続けられなければならなかった。最終的に、ヒトラーの命令が届かなくなっても、虐殺は続けられた。
二、 ナチズムの本質は「戦争」であり、「平和」も「外交」も「経済」も、戦争の前段階、戦争のためのものに過ぎない。そして、ナチズムの中核要素が、「ユダヤ人種根絶戦争」なのだから、それを阻んでいるアメリカとの戦争になるのは当然であった。
三、

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書)

アマゾンで購入する
中央公論新社から発売されたリチャード・ベッセルのナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書)(JAN:9784121023292)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.