社長のためのマキアヴェリ入門 (中公文庫) の感想

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参照データ

タイトル社長のためのマキアヴェリ入門 (中公文庫)
発売日販売日未定
製作者鹿島 茂
販売元中央公論新社
JANコード9784122047389
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経営学・キャリア・MBA

購入者の感想

1年ぐらい前に,マキャベリの『君主論』を読んだ.その時に感じたことは,マキャベリの言う「国を治める人の理想像」は,現代でも十分通じるだろうということだった.ただ『君主論』が書かれた時代と現代では,こと社会情勢に関しては,共通点もあるが異なる点の方が多いように思う.現代社会にマキャベリの言うところのマキャベリズムを活かすためには,先ず「君主」を現代社会の何かに置き換え,それに準じて「国家」とか「傭兵」なども置換してゆく必要があると感じた.本書では,「君主」を「社長」に置き換えることで,マキャベリズムに新しい命を吹き込んだ.

『君主論』を先に読んでいたこともあるが,本当に分かりやすい内容だった.分かりやすくしているのは,それぞれの置換(喩え)が正鵠を得ているからだと思う.またさらに一歩進めて,本書で言う「社長」を,読者それぞれの立場で置き換えてみるもの楽しいと思う.

『君主論』を読んだことのない読者でも楽しめます.むしろこの本から逆に原本を当たりたくなるかもしれません.とても良い一冊でした.

「君主は恐れられるのと愛されるのと、さてどちらがよいのかである。だれしもが、両方をかね備えているのが望ましいと答えよう。だが、二つをあわせ持つのは、いたってむずかしい。

 そこで、どちらか一つを捨ててやっていくとすれば、愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である。というのは、一般に人間についてこう言えるからである。そもそも人間は、恩知らずで、むら気で、猫かぶりの偽善者で、身の危険をふりはらおうとして、欲得には目がないものだと。」 
           マキアヴェリ〜君主論〜

フランス文学者として名高い鹿島茂が、君主論を読み直すうちに、これは現代の社長論に置き換えることができると確信をして著した作品である。かつてのイタリアのフィレンツェ共和国に生きるマキアヴェリの、在るべき君主の考え方を具体的な比喩で現代に活かせる社長論としてまとめている。

 企業や組織のトップの立場にある方にとっては、身の引き締まる文章に何度も行き当たるはずであり、是非、その立場の人には読んでいただきたい一冊である。

 「弱体な国家が持つ悪い傾向は、決断力に乏しいということだ」(マキャヴェリ)

 「指揮官は決断のためにのみ存在する。」とアサヒビールの名誉顧問である
 中條高徳氏が最後に後書きに記している。

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