元老―近代日本の真の指導者たち (中公新書) の感想

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参照データ

タイトル元老―近代日本の真の指導者たち (中公新書)
発売日2017-08-10
製作者伊藤之雄
販売元中央公論新社
JANコード登録されていません
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

伊藤之雄氏の一連の本はまだまだたくさんあるのだが、この本は、明治維新以来の政治史を振り返るのに、便利な本となっている。伊藤氏の本を最初に読んだのは「伊藤博文―近代日本を創った男」だ。退職後読み始めた幕末明治維新の本の一連のものの一冊だが、この伊藤博文の本はイギリスの外交官アーネスト・サトウ関連の本を読んだ後で読みたくなったものの一冊だ。伊藤とサトウの関係がもっと知りたくて読んだのがきっかけだが、伊藤之雄氏の伊藤博文の本は、従来の小説家などによる軽いエピソード本とは異なり、もっと認識を深めるものとなった。瀧井一博氏の伊藤博文の本も同時期に読み、深い考察の本であることがわかった。そこまで関心が深まってきたときに、さらに読んだのが、伊藤之雄氏の元老として明治天皇に信頼された伊藤博文の存在を知る本だったのだが、その後に続く元老たちやそのクラスの人達のことも気になりだした。山県有朋の本も読み、伊藤博文と同じ元老だが、軍寄りの山県の立場を知った。それに続く、桂太郎や西園寺といった政治家たちの本を読んでいくと、第二次大戦突入の前夜まで、たどり着いた。

個人の政治家中心に本を読んできた後で、この元老の本に出合った。この本は、私のように個別の政治家の本を読んできた人間には都合のいいまとめ編となった側面があるが、ただ、伊藤之雄氏の記述は、常に子細を極めていて、読破は大変だ。途中で何度か放置していたこともあり、かなり流れを忘れたままで、次を読んでいったところも多い。ただ、それでも、明治天皇がもっとも信頼した伊藤博文に元老として、次の総理大臣を下問するという習慣は、制度化はしなかったが、有効な役割を持ち続けた。最後の元老は西園寺一人になるのだが、昭和天皇が下問する相手となる。ただ、西園寺は老齢化しすぎて、後続する元老も任命や指名されなかったので、そのまま元老の役割を受け継ぐ人は途絶えた。

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