仕事ができる人は店での「所作」も美しい　一流とつき合うための41のヒント の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

多めの人数で予約して席数を占領して結局揃わずに終わる客、
店が混んできたのに追加注文もせずにだらだらと長居する客、
高くもない店で接客や料理の出る速さにいちいち文句を言う客、
そんな人間にはつくづくなるまいと思い知らされた一冊です。

店の片付けや仕込みを慮って、時間ぴったりに来店する、
店が混んできたら適当なところで会計を済ませてさっと出る、
出された料理は間を置かずに一番美味しい状態でさっと食べる、
そういう姿勢が隠れた逸品や一つ上のサービスにめぐり合わせてくれます。

結局、店の人も客も人間同士なのだから、心遣いのあるなしはすぐにわかるし、
それによって対応や関係性も大きく変わってくるのは当たり前の話でしょう。

普段の仕事相手（上司や同僚、取引先など）でも、
いちいち偉そうで他人の都合も考えずに雑な要求ばかりして、
もう二度とかかわりたくない人もいます。

一方で、ちょっとした気遣いをさりげなくしてくれて感じがいいばかりでなく、
そのおかげで段取りや仕事がスムーズに運ぶ人には
次もぜひお願いしたいし、力になりたいと心から思うものです。

本書で紹介していた、作家の伊集院静さんが、
汗だくで取材に来た著者のために、ご自身は冷房が苦手なのにもかかわらず、
さりげなくエアコンの温度を下げるように指示していたというエピソードは
とても素敵だし、一流の人ほどそうした所作ができるのだと納得させられました。

大人として教養を鍛える為に購入しましたが、結論から言うととても残念な内容でした。
「上座が分からなかったら、どうすればいいのか」との見出しに対して文中に太字で「要は、店に聞けば良いんです」と。しかも文章をご丁寧に引き伸ばしてまで。
この本を読んだ事によって、良い文章ととても良い文章の区別をつける勉強になりました。