日本の仏教 (岩波新書) の感想
参照データ
タイトル | 日本の仏教 (岩波新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 渡辺 照宏 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004121510 |
カテゴリ | 人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門 |
購入者の感想
一般の仏教入門書ではやや手薄な日本仏教の歴史・特徴を知る為に通読。著者の渡辺照宏氏は釈迦仏教原理主義的(?)な立場から、忌憚無く日本仏教の欠点を指摘していて痛快。曰く「たとえば法然、親鸞、日蓮たちのような新興宗派の僧侶たちはだいたい主観的観念的遊戯にふけっていただけで、実質的には何ら民衆の生活を助けることなく、むしろ信者の仕送りによって生活を支えられていた場合が多い。彼らを教祖に仰ぐ教団が優勢になったのは、後継者たちの政治的手腕によるものにすぎない」。又、特に日蓮について「仏教史全体を通じて他に類例のない独善主義であって、仏教の寛容の精神から見て、まったく非仏教的な態度と言わなければならない」や、浄土教について「この末世的な新興宗教を「日本仏教の精華」とよぶような偏見が今でも一部では行われているが、そういうことをいうのは仏教の本質と実践的意味を知らないからである」と実に手厳しい。禅宗や一遍、良寛らに対してはわりと好意的な記述。
まえがきには同著者による『仏教』(岩波新書)とどちらを先に読んでも良いと書いてあるが、いわば応用編にあたる本書を後に回す方が絶対に良いと思った。尚、本文中に漢文や古文が頻繁に挿入されるのには閉口した。
まえがきには同著者による『仏教』(岩波新書)とどちらを先に読んでも良いと書いてあるが、いわば応用編にあたる本書を後に回す方が絶対に良いと思った。尚、本文中に漢文や古文が頻繁に挿入されるのには閉口した。