M/Tと森のフシギの物語 (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | M/Tと森のフシギの物語 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大江 健三郎 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003119723 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
わりと大江関係のものには、目を通してきたつもりだが、見落としていたのがM/T。
たとえば近頃は黒川創さんなど、小説と批評を行き来する方の仕事、目を見張るものが出てきたが(以前からあったが、最近はとくに目に付く)、このM/Tの付録になっている、小野正嗣さんの解説「流されないひとしずくの涙をつたえてゆく」が素晴らしい! 初出のデータはないが、新規のものではないだろう。これほど『同時代ゲーム』以降の大江を、的確かつ美しく書いた文章は珍しい。大江さんご自身に「カッコヨスギル」、とまで言わしめた絶品だと思う。大江文学をもういちど読み直したくなる、という点で批評の教科書みたいな文章だ。
だけど肝心なのは原作を読むこと。『ゲーム』も『M/T』も読み直します。
たとえば近頃は黒川創さんなど、小説と批評を行き来する方の仕事、目を見張るものが出てきたが(以前からあったが、最近はとくに目に付く)、このM/Tの付録になっている、小野正嗣さんの解説「流されないひとしずくの涙をつたえてゆく」が素晴らしい! 初出のデータはないが、新規のものではないだろう。これほど『同時代ゲーム』以降の大江を、的確かつ美しく書いた文章は珍しい。大江さんご自身に「カッコヨスギル」、とまで言わしめた絶品だと思う。大江文学をもういちど読み直したくなる、という点で批評の教科書みたいな文章だ。
だけど肝心なのは原作を読むこと。『ゲーム』も『M/T』も読み直します。