日本国憲法論 (法学叢書 7) の感想
参照データ
タイトル | 日本国憲法論 (法学叢書 7) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐藤 幸治 |
販売元 | 成文堂 |
JANコード | 9784792305116 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法 |
購入者の感想
「佐藤憲法学の集大成」とはまさにその通りでしょう。実質的には佐藤幸治「憲法(第3版)」(青林書院・1995)の改訂版です。ですが、全体の構成などは組み替えてあり(人権→統治という順序)、学説などについても引用元の著者名がつけられるようになりました。最新の議論についてもある程度言及されており、学問的水準は最高レベルといって間違いなしです。
縦書から横書となり、コンパクトになったかと思いきや、全体で本文671頁と増加しています。そして意外なほど読みやすい(佐藤憲法は難解といわれますが、むしろ言葉を慎重に選んだ結果というのが率直な感想です)。芦部憲法などである程度の基本を学ばれている方であれば、読むのは楽です。最新判例も多く取り上げられていますし、基本書としてはこれが決定版ではないかと思います。従来から青林書院の前著を利用・参照していた人にとっては使いやすいでしょう。特に統治については情報量も十分ですし、憲法訴訟はご専門でもあることから詳しくわかりやすい。
特筆すべきは、著者が行政改革・司法改革に携わった経験からの叙述が多くみられるところです。今般の諸改革がどのような意味を有するのか、それが憲法とどのような関係をもつのか、「人格的自律権」という著者の一貫した主張によって明解に説かれています。著者の現在までの研究成果・改革への姿勢などが詰め込まれた、まさに「集大成」となっています。
読み応えは十分で、何回も通読して味わいたい。そういう本です。憲法を学ぶすべての人に、本書を推薦します。
縦書から横書となり、コンパクトになったかと思いきや、全体で本文671頁と増加しています。そして意外なほど読みやすい(佐藤憲法は難解といわれますが、むしろ言葉を慎重に選んだ結果というのが率直な感想です)。芦部憲法などである程度の基本を学ばれている方であれば、読むのは楽です。最新判例も多く取り上げられていますし、基本書としてはこれが決定版ではないかと思います。従来から青林書院の前著を利用・参照していた人にとっては使いやすいでしょう。特に統治については情報量も十分ですし、憲法訴訟はご専門でもあることから詳しくわかりやすい。
特筆すべきは、著者が行政改革・司法改革に携わった経験からの叙述が多くみられるところです。今般の諸改革がどのような意味を有するのか、それが憲法とどのような関係をもつのか、「人格的自律権」という著者の一貫した主張によって明解に説かれています。著者の現在までの研究成果・改革への姿勢などが詰め込まれた、まさに「集大成」となっています。
読み応えは十分で、何回も通読して味わいたい。そういう本です。憲法を学ぶすべての人に、本書を推薦します。