ハウスワイフ2.0 の感想

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タイトルハウスワイフ2.0
発売日2014-02-21
製作者エミリー・マッチャー
販売元文藝春秋
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 家族問題

購入者の感想

アメリカは多様な国。「女も企業で出世しよう!」と唱えるリーンインのような本が売れるかと思えば、こうした「会社に使われない生き方の方がイケてる!」という本も評判になる。

もともとフェミニストだったとも思えない安倍首相までが女性の企業での地位向上を国策の中心に据えるようになった日本の風潮から見ると、「女性が企業社会に背を向け、専業主婦に回帰している」というこの手のアメリカのトレンドレポートは不都合な情報かもしれない。だが、「専業主婦、家事」という言葉を、「ロハス、エコ、手作り、田舎、オーガニック、エシカル、ノマド、クリエイティブ」といったキーワードと結びつけてみると、女性の地位とは無縁の部分で日本にも同様の気分が深く広く浸透しつつあることが分かる。本書の目線は例えば「里山資本主義」などとも似ている。男性にも共感できる部分が多いだろう。

ハウスワイフ「1.0」と「2.0」の違いは、前者が女性が専業主婦にしかなれなかった時代の専業主婦なのに対し、後者は高学歴や企業社会のキャリアを捨てて、伝統、家事、手作り、子育てを敢えて選んだ専業主婦だという点である。

ロハス、エコ、手作り、田舎。。。といった魅力的なコンセプトの一番の弱みは、現代の社会の仕組みの中では、そうした生き方が経済力につながりにくいこと。お金にならないからこそ、伝統や手作り自給自足は専業主婦と親和性があるのである。ロハスを楽しむ専業主婦になれるのは高学歴女性=夫が高学歴高年収の人だけ。ロハス生活はあくまで非ロハスな生活で得た貯金や夫の非ロハスな仕事による収入で支えられなくてはならないというわけだ。「ハンドメイド製品」や「ライフスタイル」を収益化出来るのは一握りの人。たとえばハンドメイド製品をEtzyに出店してビジネスにしようとすれば、途端に一日13時間編み物を続けるというようなロハスとは程遠い生活に追い込まれる.

このように著者は「ロハスな専業主婦になれば幸せ!」と一方的に説くエバンジェリストではない。それどころか「所詮、ハンドメイドでは稼げない」、「今は手作りバブルの時代。いつかバブルは弾ける」とブームの持続可能性に否定的な見方もしている。

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