レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 村田 晃嗣 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121021403 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
よくまとまっている新書だと思う。リベラル派を戦慄させる程度には保守的で、史上最も偉大なアメリカ大統領に選ばれたレーガンは、ハリウッドで労働組合の委員長もしていた民主党員のB級映画俳優だったのである。日本語では最初の「レーガンの評伝」に求められることは十分満たしている。
ただ、生涯をきちんと丁寧に追っている副作用と言うべきか、本文300ページの本書で、レーガンが大統領になるのは179ページである。レーガノミックスとか冷戦の終焉とかといった、大統領としてのレーガンやその時期のアメリカの政治や外交、社会についてもっと詳しく知りたいと思う読者には、物足りないかもしれない。また、レーガンが小さな政府を標榜しながら財政赤字を増大させ、強いアメリカを標榜しながら冷戦の終焉に貢献したことはよく分かるのだが、どうしてそうなってしまったのか、レーガンを取り巻く社会状況について、もう少し説明があれば、さらに嬉しかった。個人的には、著者のスタンス、評価をもう少し押し出しても良いのでは、とも思った。
なお、レーガンのジョークがいくつか引用されているのだが、晩年以外は余裕たっぷりの、もっと言えば知性を感じさせるセンスのあるもので、ちょっと驚いた(たとえば、高齢で毎日昼寝しているという批判に対して。「緊急時にはいつでも私を起こすようにと命じてある。たとえ閣議の最中でも例外ではない」)。良くも悪くも、今こんな政治家いますかね?
ただ、生涯をきちんと丁寧に追っている副作用と言うべきか、本文300ページの本書で、レーガンが大統領になるのは179ページである。レーガノミックスとか冷戦の終焉とかといった、大統領としてのレーガンやその時期のアメリカの政治や外交、社会についてもっと詳しく知りたいと思う読者には、物足りないかもしれない。また、レーガンが小さな政府を標榜しながら財政赤字を増大させ、強いアメリカを標榜しながら冷戦の終焉に貢献したことはよく分かるのだが、どうしてそうなってしまったのか、レーガンを取り巻く社会状況について、もう少し説明があれば、さらに嬉しかった。個人的には、著者のスタンス、評価をもう少し押し出しても良いのでは、とも思った。
なお、レーガンのジョークがいくつか引用されているのだが、晩年以外は余裕たっぷりの、もっと言えば知性を感じさせるセンスのあるもので、ちょっと驚いた(たとえば、高齢で毎日昼寝しているという批判に対して。「緊急時にはいつでも私を起こすようにと命じてある。たとえ閣議の最中でも例外ではない」)。良くも悪くも、今こんな政治家いますかね?