野村證券 グローバルハウスの火種 の感想

著者が嘗て働いた野村證券が何故、グローバルに認知され存在感を示すようになったかが非常に分かりやすく書かれている。これからの本邦金融機関の一層の国際化にとって、またそれを志す若い金融マンにとって示唆の多い書である。一人の金融マンの志と好奇心がありそれに、金融イノベーション、リスクテーク為の周到な準備と経営者の決断力や洞察力およびリーダーシップ、それを支える優秀なスタッフ、人脈・地脈、コミュニケーション能力、マーケットの投資家層の厚み等が一体となった際に大きなビジネスが成就する事が、躍動的なタッチで描かれている。

リーマンショックを経て新たな金融規制の導入や世界的な低金利の継続、グローバリゼーションの変遷など日本の金融機関にとって新たな旗印が求められる中、大いに勇気づけられる本である。