アメリカ連邦準備制度(FRS)の金融政策 (〔世界の中央銀行〕) の感想

　アメリカ連邦準備制度について制度の解説にとどまらず、金融政策の実体をできるだけ理論的に類型化して説明している。特に、リーマンショック後の複雑かつ変転極まりない政策動向を手際よく整理・解説している。経済実態を踏まえつつ、金融政策手法をこれだけ具体的に論じた本はないのではないか。
　また、アメリカに止まらず、日本、ヨーロッパ、英国の事情も解説し、比較している。このことは金融政策を論じるうえで有益である。
　中央銀行家、金融関係者はもとより経済学者、エコノミストに本書を薦めたい。また、経済に関心を持つ一般人や学生にとっても有益であろう。