とことん! - とんかつ道 (中公新書ラクレ) の感想

定食評論家を自称している著者ですが、相変わらず紹介する店に脈略・ポリシーが感じられず、選ぶメニューも貧乏くさい。「とんかつ道」と言っておきながら、安いからと「チキンカツ」をしばしば選択する節操のなさ。「ステキ」だの「おかず力」だのいう決まり文句も鼻につきます。これならもっと情報発信力がある素人のサイトだっていっぱいあるよなぁ・・・と思いつつ、ついまた買ってしまうのがこの筆者の本ではありますね。

　著者が健康的にも精神的にも不安を抱えながら２年越しで書き上げた本です。伝統の老舗から隠れた名店そこらにあるチェーン店まで、とんかつ求めて、ご飯のおかわりと値段の安さにこだわりながら東奔西走しています。
　とんかつと言ってもそのバリエーションは幅広く、カツ丼やカツサンド、カツカレーは言うに及ばず、とんかつチャーハンやとんかつオムライスも登場。カツ絡みと言う事でチキンカツやエビフライまで食べてしまい、果てはハワイに行ってもカツを食べる有様です。
　一部の写真が白黒で見づらいのが少し残念でしたが、これからも、米・肉・油・小麦と文学に関連した良い本を書いて欲しいと思います。

　個人的には梅田のマルマンが紹介されているのが良かったです。狭い店でいつも混んでいるのですが味はイイですよ。できればクリームコロッケか白身魚のフライを食べてほしかったですね。0