ディズニーランドという聖地 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトルディズニーランドという聖地 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者能登路 雅子
販売元岩波書店
JANコード9784004301325
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » サービス・小売 » レジャー

購入者の感想

創設者のウォルト・ディズニーに焦点あて、アメリカのディズニーランドとアメリカ文化の読み解きを試みている

ウォルト・ディズニーは貧しい家庭に育ったため、幼少から社会に出て働くことを強いられていた。そのため、ウォルトの実質的な子供時代は極めて短期間であり、このことがディズニーランドの構想に大きく影響したという指摘は意外であった。
また、当時のアメリカ文化の状況を引用しながら、各アトラクションの意匠へアメリカ人の視点が強く反映されているという指摘は21世紀の現代からみても重要だろう。
東京ディズニーランドはアメリカのディズニーランドのサブセットであるため、東京ディズニーランドの知識しかない自分にも、アメリカのディズニーランドのアトラクションに関する説明は理解することができた。

21世紀は人や情報、お金が国境を越えて自由に移動する時代である。だからこそ、歴史や文化を踏まえたディズニーランドならびにウォルト・ディズニーへの指摘はより参考になるといえる。

読みやすい文章や筆者の緻密な歴史検証と考察に敬意を払い、星5つです!

本書はディズニーランドの生い立ち・成り立ちの分析を通じて、

アメリカとアメリカ人のメンタリティ、

さらには現代資本主義社会の病理までもえぐり出す名著です。

入口ではミッキーマウスが楽しくエスコートしてくれますが、

アメリカ史を横目にウォルト・ディズニーの頭の中を巡る中盤、

そしてウォルトの死後、ディズニー・ワールドの垣間見せる管理社会ぶり、

さらに浦安・パリへと拡大していく「ディズニーランド」…。

それらに昨今の無邪気なアメリカ型グローバリゼーションを重ね合わせていくと、

出口付近では若干気持ち悪くなってしまう、

そんなジェットコースターに乗せられた気分です。

小著かつ15年以上前に書かれたものですが、

折に触れて読み返して、

そこにちりばめられている問題意識を確認したいと思いました。

最近読んだ中では最も知人に薦めたい本です。

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