アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | トクヴィル |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003400920 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治史・比較政治 |
購入者の感想
市民革命を達成したフランスの政治学者である筆者が、アメリカ民主政治の形成過程と統治機構の分析を通じて民主主義の本質について考察していました。
道徳を社会に具現化する法を定める権限が人民にあり、全員ではなくとも最大多数の利益のために政治が運営されることで、誤謬性を有しながらも地域社会を出発点として社会全体を巻き込み政治的活力を生み出す仕組みである、と民主主義の本質がとらえられています。
「民主制」政治機構の理念をイギリス人ピューリタンに負うところが大きいにもかかわらず「貴族制」の影が見え隠れする点、産業主義・保護貿易志向・中産階級中心の北部と農業主義・自由貿易志向・投機家中心の南部の差違、先住民や奴隷を除いた自由や財産所有権の保証、など現代にも重要な影響を及ぼしているような二重性が浮き彫りにされており、古典としてだけではなく今日的にも示唆に富む内容ではないでしょうか。
道徳を社会に具現化する法を定める権限が人民にあり、全員ではなくとも最大多数の利益のために政治が運営されることで、誤謬性を有しながらも地域社会を出発点として社会全体を巻き込み政治的活力を生み出す仕組みである、と民主主義の本質がとらえられています。
「民主制」政治機構の理念をイギリス人ピューリタンに負うところが大きいにもかかわらず「貴族制」の影が見え隠れする点、産業主義・保護貿易志向・中産階級中心の北部と農業主義・自由貿易志向・投機家中心の南部の差違、先住民や奴隷を除いた自由や財産所有権の保証、など現代にも重要な影響を及ぼしているような二重性が浮き彫りにされており、古典としてだけではなく今日的にも示唆に富む内容ではないでしょうか。