エコロジー経済学: 原理と応用 の感想

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タイトルエコロジー経済学: 原理と応用
発売日販売日未定
製作者ハーマン・E・デイリー
販売元エヌティティ出版
JANコード9784757123038
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

本書は、環境経済学(ecological economics)の理論的支柱であるハーマン・E・デイリー(Herman E. Daly)(1938~)が、若き共同研究者と共に、一般の読者向けに、その概要を包括的に記述したEcological Economics: Principles and Applicationsの邦訳である。まずは、この大部の著作を日本語に翻訳してくれた翻訳者の佐藤 正弘氏(京都大学経済研究所准教授)には深い感謝の意を表したい。
「エコロジー」には、自然科学としての側面や社会科学としての側面、あるいは、社会運動としての側面や思想活動としての側面をはじめとして、実に多様な側面や要素が内包されるが、ただ、そうした探求・実践領域の価値や理論にもとづいて呈示される施策や提案が、冷徹な経済論理のまえには、あまりにも無力であることにたいする問題意識は一般的に非常に希薄であると思う(c.f., 小島 寛之(2006)『エコロジストのための経済学』)。そのために、個人や組織の善意にもとづいて展開されるエコロジカルなとりくみは、往々にして、表層的なものとして終わることになる。本書は、そうしたとりくみのまえに立ちはだかる既存の経済制度の構造を分析して、その根源的な問題を照明すると共にそれを超克するあらたなモデルを呈示しようとする。今後 生態系の崩壊や自然資源の枯渇等の問題が急速に深刻化する時代を迎えるなかで、エコロジーの洞察を、人間の経済活動という最も基本的、且つ、偏在的な社会の営みに反映させていくためには、本書で展開される議論や洞察を踏まえることは、必須の条件となるだろう。
環境経済学を貫く中心的な問題意識は、閉鎖系(closed system)であるこの惑星において、持続的な成長を追求する主流経済学の根源的な倒錯を超克することにある。地球の生態系が内包する資源の量は基本的に一定であり、それが有機的に相互に関連しあいながら――そして、外部からの唯一の流入エネルギーである太陽光の恩恵を受けて――この惑星の生命維持装置として機能している(つまり、隕石の飛来等の偶発的なイベントを除いて、地球上の物理的な資源が増えることはないということだ)。

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