悪文―裏返し文章読本 (ちくま学芸文庫) の感想
参照データ
タイトル | 悪文―裏返し文章読本 (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中村 明 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480090423 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
本書の冒頭に説明されているごとく、世に文章読本は数多あるけれど、そのほとんどは「何が名文か」であって、しかも古典的な文学から引用されっているものもあるので、現代社会にはあまり参考にならない。本書は逆に副題にもあるごとく「ではどう書いたら分かりにくい文章になるのか」に焦点を当てて書かれたものであり、内容もとてもわかりやすい。目次を見れば分かるが、内容がちょうどA-Zのタイトルで区切られているのも洒落ており、また各セクションがほぼ同じページ数であるのも読みやすい。著者の隠れた努力に頭が下がる。自分は文章を書くのも仕事の一部であるが、この本を5年前に読んでから、自分の書いた文章を第三者の眼として読み直して自ら校正するのがかなり楽になった。また人の文章を推敲し、不適切さをわかりやすく指摘するのも楽になった。日本語を書くことが仕事の人だけでなく、文章に興味がある人にはすべて一読して頂きたい本である。なお、上にやや辛口のレビューが載っているが、「ずらい」でなく「づらい」である。