空海入門 の感想

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参照データ

タイトル空海入門
発売日販売日未定
製作者加藤 精一
販売元大蔵出版
JANコード9784804330471
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

 あんなに古い時代に、こんなに今日的視野をもった人物がいたのかと思うのが空海。
資料としては、すべて空海自身が書いたもの、及びその時代の信ずるに足るものだけを用いている。伝説は無数に存在するが、本書は伝説の類は一切省略されている。史実に基づいた資料だけでも、空海の生涯はまことにドラマティックである。
「大学中退と苦悩」全国で一校(儒教中心・官吏養成・暗記重視)に満足できなかった。 
その後、一さ沙門から求聞持法を学び、阿波大滝嶽や土佐室戸岬で修行する。
 24歳の著作『三教指帰』序文に、「およそ物の情は単純に画一化されるべきものではない。鳥は蒼空を飛び、魚は深淵に沈む。人も、あるいは士官し、あるいは静かに思索するのを好む。いずれも天分に従って、それぞれの道を歩むものである。三教(仏教・道教・儒教)はそれぞれ真実を示している。真実の道としての忠孝は、人生のあらゆる真実を含む広々とした大道でなければならない」
 31歳で留学生として入唐。密教の正統な相承者としてさまざまな密教経典と法具を揃えて、胸をふくらませて帰国したが、朝廷の扱いは冷たいものだった。
 その後、思想の形成期に最澄との交渉、高野山の開創があり、円熟期に満濃池の修築、綜藝種智院の創設、多くの著作等枚挙に暇がない。
 何はともあれ、空海の生き方とはどんなものだったのか、空海思想の今日的意義が問われねばならないだろう。
【心の自由】人間の心は常に真実に向かって流動的である。そこに寛容が生まれる。ただし、そこに反省が加わっていなければならない。
【共生の理念】人間は一人の例外もなく、法身大日如来と同体である。「静かに見れば、物みな自得す」(芭蕉)のことばは空海の視点と符合するところが多い。
【人間の探究】自分自身を見つめ、探究することが、真言密教で最も大切なことである。他に求めても決して得られない。人生は試行錯誤の連続であり、そのつどしゅうせいしつつ変化していくものである。
【空海の生死観】菩提心(仏陀に向かって進もうとする心を起こして、最高の目標である涅槃(心の真の自由と平和)目指していれば、仏陀は必ず大慈悲の心をもって人々を誘ってくれる。

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