ひとりでいいんです─加藤周一の遺した言葉 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルひとりでいいんです─加藤周一の遺した言葉
発売日販売日未定
製作者加藤 周一
販売元講談社
JANコード9784062174497
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 日記・随筆

購入者の感想

年1回以上、加藤周一を囲む会をしていた"凡人会"が起こした本。平易に穏やかに加藤周一が話をしています。ただし、本人が死によって目を通してないせいか、やや焦点が甘い印象があります。

小生の印象に残った点は以下です。
・伊藤若冲の絵は、見事だが平面的。細かくて体系的でない。
・禅宗は、心の中だけで保守的。浄土真宗は、社会性があり革新的。一休はそこに惹かれたのかも。
・"15年戦争"という満州事変(1931年)から敗戦までの言い方は、鶴見俊輔が最初に言い出した的確な言い方。
・叛軍の2.26事件は1936年だったが、天皇自ら鎮圧しようとした。日本はドイツと異なり、異分子が戦争を煽動したのではなく、正規軍が戦争を遂行したことにより国民の責任がより大きい。
・鞍馬天狗とは、フランス革命的自由主義。
・自衛ではない(侵略)戦争はない。
・矢内原先生は、内村鑑三に私淑していた。現役武官制の危険性を早くに気付いていた。いつの間にか自由が無くなっていく。
・武者小路実篤や小林秀雄は、クウキで戦争に賛美した。一方、暴力に抑圧された良識ある学者は「沈黙」した。
・自由の基盤は、個人主義。クウキで動かない普遍性、人間中心主義が大事。
・戦後が終わるときは、「戦前」の始まり。
・"普通の国"というなら、まず先進国では認められている公共労働者のスト権を認めよ。日本は人権意識が低すぎて普通ではない。
・イラクに出兵しても、ルワンダには出さない。人権保護/民主化は建前に過ぎない。
・三井三池は「また朝鮮戦争が起きてくれれば」と公言していた。戦争で利益を得る経済界には要注意。
・軍事支出は、最大の無駄遣い。
・北朝鮮が攻めてくる筈など無い。攻めようとすれば北朝鮮自体が自滅する。
・ピーター・フォークは、(ピーター・フォークのファンだった)昭和天皇からのアポを先約により断った。へつらわないことは見事。
・大岡昇平は、(たくさんの戦友を殺した)天皇から賞を貰うのは恥ずかしい、と日本芸術院会員就任を断った。
・南京大虐殺では一万人以上が殺された。虐殺でないことを証明することは不可能。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ひとりでいいんです─加藤周一の遺した言葉

アマゾンで購入する
講談社から発売された加藤 周一のひとりでいいんです─加藤周一の遺した言葉(JAN:9784062174497)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.