空間―機能から様相へ (岩波現代文庫) の感想
参照データ
タイトル | 空間―機能から様相へ (岩波現代文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 原 広司 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784006001902 |
カテゴリ | アート・建築・デザイン » 画家・写真家・建築家 » 建築家・様式 » 原広司 |
購入者の感想
文庫でこの本が読めることに感謝、岩波様のご配慮には尊敬します。最近では手に入り辛い建築書の一つだったし、中古で買うと高いしで、なかなか読み辛い一冊だった。
原さんの建築を考える上で、内面から知るにはとっておきの一冊であることには間違いない。またそれ以上に、近代と現代を繋ぐ節目の本としての役割を重要視したい。
以前、以後の境においてどのようなことが注目され、現在では何が廃れ、何が残り、何が生まれたか?比較、発見する対象として非常に重宝されることだろう。
しかし、建築以外の人間が読むに耐えるものかは個人的には謎。哲学が好きな人なら大丈夫か?
まず均質空間に対する考え方は、ミシェル・フーコーの監獄の誕生を待たずして、すでに建築サイドの問題点から俗に文学サイドが言う近代空間の輪郭を描き出している。重要なのはそれを設計者である著者が解き明かしているところ=実践への転換をそこから行なおうとしていること。そして建築の言葉に哲学の言葉がやや翻訳されていること(原さんの言葉自身が哲学や数学などめんどくさい言葉に近いので建築のことば自身とは言い難いが)であると思う。建築サイドからの均質空間に対しては1956年にコーリン・ロウがシカゴフレームで、権力と空間との関係を薄らと紐解き始めている。本書はそれを上手く受け止めた上で身体的な次元にあった空間が、どのように制度やシステム、設備によって成立する空間へとシフトしていったかを書き綴っている。
さらに言えばレムのビッグネスに通じる考え方やハーバードデザインスクールの黒本でのマーケットに関する考え方の基本はほぼ、この本の中で出そろっていると言っていいだろう。(ジャンクスペースはそれからさらに飛び出した射程を見ているように思うが)
われわれは本を読んだ上で均質空間をどのように扱っていくべきなのか?考える必要があるだろう。この空間は世界の歯車の一つになっており、進化を続けているのだから。
その後に続くの文章は、原さんが独自に均質空間に対して取った構えを文章にしたものとなる。
原さんの建築を考える上で、内面から知るにはとっておきの一冊であることには間違いない。またそれ以上に、近代と現代を繋ぐ節目の本としての役割を重要視したい。
以前、以後の境においてどのようなことが注目され、現在では何が廃れ、何が残り、何が生まれたか?比較、発見する対象として非常に重宝されることだろう。
しかし、建築以外の人間が読むに耐えるものかは個人的には謎。哲学が好きな人なら大丈夫か?
まず均質空間に対する考え方は、ミシェル・フーコーの監獄の誕生を待たずして、すでに建築サイドの問題点から俗に文学サイドが言う近代空間の輪郭を描き出している。重要なのはそれを設計者である著者が解き明かしているところ=実践への転換をそこから行なおうとしていること。そして建築の言葉に哲学の言葉がやや翻訳されていること(原さんの言葉自身が哲学や数学などめんどくさい言葉に近いので建築のことば自身とは言い難いが)であると思う。建築サイドからの均質空間に対しては1956年にコーリン・ロウがシカゴフレームで、権力と空間との関係を薄らと紐解き始めている。本書はそれを上手く受け止めた上で身体的な次元にあった空間が、どのように制度やシステム、設備によって成立する空間へとシフトしていったかを書き綴っている。
さらに言えばレムのビッグネスに通じる考え方やハーバードデザインスクールの黒本でのマーケットに関する考え方の基本はほぼ、この本の中で出そろっていると言っていいだろう。(ジャンクスペースはそれからさらに飛び出した射程を見ているように思うが)
われわれは本を読んだ上で均質空間をどのように扱っていくべきなのか?考える必要があるだろう。この空間は世界の歯車の一つになっており、進化を続けているのだから。
その後に続くの文章は、原さんが独自に均質空間に対して取った構えを文章にしたものとなる。