碧巌録〈上〉 (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | 碧巌録〈上〉 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 入矢 義高 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003331118 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
山田無文の碧巌録提唱を読んでみたが、一句一行に現代語訳と解説がつく体裁が「冗長」に思えてしまう。詳細なことはよいが、詳しく解説されると禅ではないように思われる。 大森曹玄の碧巌録は、一則一則は短いが、的を射ている解説で、惹き込まれるような趣がある。 岩波文庫の碧巌録には、解説本にはない魅力がある。大森曹玄にしても、山田無文にしても、慈悲心はありがたいが、大味ということがある。岩波版は、薄味で骨がおれるが、菜根を噛むように、読めば読むほど味がでてくる。 漢文と読み下し文という体裁であるが、現代語に近い読み下し文になっており、すらすらと読める。これで読みにくいというなら、禅門から去れ、である。禅を求めながらわかりやすさを求めるとは、木によりて魚を求むである。いや、それより甚だしい。 岩波文庫で碧巌録を読める、というだけでありがたいものである。