完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯 の感想
参照データ
タイトル | 完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯 |
発売日 | 2014-03-21 |
製作者 | フランク・ブレイディー |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
伝説のチェスプレーヤー、ボビー・フィッシャーの生涯に迫った力作です。
フィッシャーが世界チャンピオンに上り詰めるまでの天才的な努力の半生と、謎の多いその後の破滅的な半生とを、まるでチェスの白と黒の駒のように鮮やかに描き出しています。
少年時代、チェスの本を片っ端から図書館で貪るように読み耽り、チェスの戦術や棋譜を恐ろしいほどの集中力と記憶力で脳に刻み込んでいく情熱や執念。
チェスクラブでの早指し対局に明け暮れたフィッシャーの少年時代は、本書の解説を書いた天才棋士の羽生善治さんの少年時代とも重なるエピソードが多い。
チェスの研究とラジオに没頭した青年時代のフィッシャー。
それは、自分の内側に向かって内面世界を深く孤独に究めていくような作業であり、それらが外の世界に向かっていくときに、チェスの世界では、対局で敵を完璧に打ち負かすことへ、世間やまわりの人間に対しては妥協のない要求、そしてそれが「裏切られた」ときの尋常ではない嫌悪と攻撃になって表れていったのかもしれません。
結果的に、さまざまな面で妥協を知らない、アンバランスで時に破滅的な人生を送らざるをえなかった伝説のチェス・プレイヤーの生涯の物語は、チェスを知らない読者をも惹きつける輝きと痛みがあります。
チェスを知らない私も、チェスのルールを覚えて、フィッシャーが13歳のときに指した「クイーンサクリファイス(クイーンを捨て駒にした大胆な戦術)」による世紀の一局や、ソ連のチェスプレーヤーと戦って世界チャンピオンになった対局の棋譜を並べて、そのなかに、フィッシャーの人生の息吹を、言葉だけではなく盤面で感じてみたいと思わせる、そんな一冊でした。
実在の人の評伝なので、もっと写真が多くあればよかったと思いました(なので☆4つとしました)。
youtubeにボビー・フィッシャーの映像がたくさんありましたので、そちらもご覧になると、なお、楽しめると思います。
ご参考になりましたら幸いです。
フィッシャーが世界チャンピオンに上り詰めるまでの天才的な努力の半生と、謎の多いその後の破滅的な半生とを、まるでチェスの白と黒の駒のように鮮やかに描き出しています。
少年時代、チェスの本を片っ端から図書館で貪るように読み耽り、チェスの戦術や棋譜を恐ろしいほどの集中力と記憶力で脳に刻み込んでいく情熱や執念。
チェスクラブでの早指し対局に明け暮れたフィッシャーの少年時代は、本書の解説を書いた天才棋士の羽生善治さんの少年時代とも重なるエピソードが多い。
チェスの研究とラジオに没頭した青年時代のフィッシャー。
それは、自分の内側に向かって内面世界を深く孤独に究めていくような作業であり、それらが外の世界に向かっていくときに、チェスの世界では、対局で敵を完璧に打ち負かすことへ、世間やまわりの人間に対しては妥協のない要求、そしてそれが「裏切られた」ときの尋常ではない嫌悪と攻撃になって表れていったのかもしれません。
結果的に、さまざまな面で妥協を知らない、アンバランスで時に破滅的な人生を送らざるをえなかった伝説のチェス・プレイヤーの生涯の物語は、チェスを知らない読者をも惹きつける輝きと痛みがあります。
チェスを知らない私も、チェスのルールを覚えて、フィッシャーが13歳のときに指した「クイーンサクリファイス(クイーンを捨て駒にした大胆な戦術)」による世紀の一局や、ソ連のチェスプレーヤーと戦って世界チャンピオンになった対局の棋譜を並べて、そのなかに、フィッシャーの人生の息吹を、言葉だけではなく盤面で感じてみたいと思わせる、そんな一冊でした。
実在の人の評伝なので、もっと写真が多くあればよかったと思いました(なので☆4つとしました)。
youtubeにボビー・フィッシャーの映像がたくさんありましたので、そちらもご覧になると、なお、楽しめると思います。
ご参考になりましたら幸いです。