史記列伝1 (岩波文庫 青214-1) の感想

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タイトル史記列伝1 (岩波文庫 青214-1)
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784003321416
カテゴリジャンル別 » 歴史・地理 » 世界史 » 古代史

購入者の感想

通勤電車で史記列伝を楽しむには、ちくま学芸文庫や、徳間文庫の史記シリーズか、この岩波文庫の「史記列伝一〜五」です。岩波より、ちくま・徳間は高いので、列伝の内容だけ楽しむには岩波がおすすめ。ただ、漢文と書き下し文が付いていないことと、「本紀」が出ていないため、歴史の流れがつかめないという欠点があります。列伝の話を味わうには、全体の流れをつかむ必要がありますが、その方法としては、横山光輝のマンガ「史記」や「項羽と劉邦」を漫画喫茶とかで通読するのが横着者には一番。ただし、横山作品は読者が解りやすいよう独自の解釈を加えていると思われるので注意。 

 岩波各巻のうち、「一」は、大国の首相や負け知らずの将軍など、歴史の中心人物が取り上げられています。そうした人たちも、陰謀で失脚したり、王の疑心暗鬼を招いて悲惨な死をとげる者が多く、人にとって「身の振り方」が大切だと思い知らされます。一番魅力的な人物は魏の信陵君です。義に篤く、軍事にすぐれ、人材に対しては見かけや身分にとらわれず礼を尽くして親交を深め、そうして集めたブレーンが人生の転換期にそのブレーンにしかできない助言をしてくれる、まさに人生の見本という人でしょう。その人徳が諸国結集の軸となり、秦の覇業を阻んだため、信陵君は秦の情報工作に陥れられ、最後は失意の中で酒浸りになり早死にします。やはり孔子の弟子の「子路」の様に、身の振り方は考えず、命がけで主義を貫くという人生の方が良いかも。「子路」は、この本の「仲尼弟子列伝」に少し出てきますが、その感動的な人物像を知るには、「中島敦:李陵・山月記―弟子・名人伝:角川文庫」がおすすめです。

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