自省録 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル自省録 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者マルクスアウレーリウス
販売元岩波書店
JANコード9784003361016
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

世の中の大多数の人と異なる性質を持ってしまったことを恥じ、息を潜めて暮らしてきました。この本は、2000年前の、国も、置かれた立場も違うはずの人が書いたにもかかわらず、わたしの心を癒やし、勇気を奮い立たせてくれる言葉で溢れています。

気に入ったフレーズにマーカー(電子書籍版の機能として)を引いて、その前後の文章を繰り返し読むようにしています。一度心にささったものでも、しばらく経つと心から剥がれてきてしまうからです。
これまで自分は一体何に苦しんできたのか、今では分からなくなってきたほど、本を読む前の自分の心情が思い出せなくなってきています。
自省録を書いたマルクスアウレリウスや他のストア派の賢人に比べれば、自分は逃げ込んだ環境の中で、ぬるま湯に浸かってすっかり心が軟弱になってしまっていただけなのだと思いました。

それにしても、五賢帝である彼でさえも本の中で自分を褒め称えることなどせず、ひたすら自己を省みている様は、誠に感嘆と尊敬に絶えません。
また、平易な日本語訳を作成してくださった神谷美恵子氏への感謝も然りです。

ローマ帝国五賢帝の一人、哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの文集。その思想は「ストア学派」ですがこの本は難解な形而上学について述べたものではなく、自分自身を省み、自分自身を励ますために、自分自身に宛てて書かれたもので、出版の意図はなかったといわれています。
大帝国の指導者としてその重積を果たしながら、一人の人間としてより善く生きることを目指す「ストイック」そのものの姿に深く心を打たれます。
そしてこの本は迷ったときや、くじけそうになったときに僕を何度も励まし、勇気づけてくれました。
僕が好きな文章はこれです。
「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されているうちに、善き人たれ。」
蛇足ですが、訳者の神谷美恵子さんにも大変すばらしい著作があります。この本を読んだ方、興味を持った方で神谷さんの著作にふれたことのない方にはぜひ手に取ってほしいと思います。

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