三国志演義 (一) (講談社学術文庫) の感想

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参照データ

タイトル三国志演義 (一) (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
販売元講談社
JANコード9784062922579
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 古典 » 中国の古典

購入者の感想

テレビや映画などで知られる”三国志”は、多くは本書が原作。14世紀に中国で書かれた大著ということで、読みにくいのではないかと危惧したが、最初の数ページで、その懸念はなくなった。本書は、史実を記録した正書の”三国志”を下に書かれた当時の庶民のための小説なので、フィクションも入って物語として肩の力を抜いて楽しめる。また、結局のところ、文化として伝わっているのは、史実より本書からという部分が多く、中国四大奇書のひとつとしても読んでおきたい作品。本書は全120回のうち30回を収録。各回(章)には2ページの挿絵があり、各章末の簡潔な注には、史実との違い、名言の出典(たとえば、曹操がさり気なく語った言葉’文事ある者は必ず武備あり”が”史記”の”孔子世家”からの引用であったりすることから曹操の教養がわかるp513)、史書”三国志”との比較が書かれ有用。訳者による10ページの”はじめに”には、三国志演義の成立の歴史的紹介(当初は張飛が一番の人気であったことなど)や、解説(劉備の役割は、”多種多様の登場人物をつなぐ虚なる中心”と説明するなど)と、本書は2000年に、ちくま文庫から発行されたものに訂正を加えたものであることが書かれている。私は本書を、中国の2010年のテレビシリーズ“三国志Three Kingdoms”を見てから読み始めた。登場人物が多い本だけに、テレビの演じた俳優のイメージがあると人物を記憶しやすい利点はあり、また、本書を原作としているテレビシリーズとの違いも楽しめる。概ねテレビのほうが話は膨らませてあるが(特に中国四大美女の貂蝉と呂布のロマンスなど)、テレビでは登場が少なかった”小覇王“と呼ばれた呉の孫策の活躍と最後(道士の于吉が絡む)は原作のみ。本書で、三国志に触れるのが初めてという読者には、商品説明、バックカバー、帯に書かれてあるあらすじは読まずに、読まれることを勧める。果たして、戦いを制するのは、どの武将か、誰が天下をとるのか、英雄の生涯は、など仔細をわからないほうが、物語を楽しめることは間違いない。巻末には本巻の年表と”読みどころ“が13ページにまとめられてある。
以下金言は本書から。

無位無冠こそ英雄の証(あかし) p52

兵は神速(しんそく)を尊ぶ p576

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