臆病者のための億万長者入門 (文春新書) の感想

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タイトル臆病者のための億万長者入門 (文春新書)
発売日販売日未定
製作者橘 玲
販売元文藝春秋
JANコード9784166609703
カテゴリ » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営 » 株式投資・投資信託

購入者の感想

内容は基礎的。丁寧な用語解説や豊富なデータ提示は著者の勤勉さを伺わせる。
だが全体像がわかりにくく、読み進めるのに予想以上に時間がかかった。

その理由はまず文章構成。章立そのものが緻密とは言えない(内容が行き来しがち)。
専門用語の後述も散見される。

内容においても、エピソードの解釈が飛躍的だったり、
他の方のご指摘通りミスリーディングを招きかねない箇所もあったりするので、
読み直しや検証を迫られる。

文体がエゴイスティックで初学者にはハードルが高い。
読む愉しみはあるが、文字量に対して有益な情報量が少ない。

入門書の役割が一般知識の効率的な理解を促すことだとすれば、良書とは言い難い。
目次を参考に辞書のように読む、あるいは興味が湧く部分を
ピックアップして読む方法がベターかと思う。

「リタイアしたあとに資産のすべてを失ってしまったら、もはや生きていく術はない。金融市場のなかで、個人はもっともリスク耐性の低い投資家だ。そう考えれば、個人の資産運用は保守的であるべきだ」「資産運用は金儲けの手段ではなく、人生における経済的なリスクを管理するためにある」。

一般市民向けの資産運用のコツについてのアドバイスをまとめた本。歯に衣着せない、明快でストレートな文体で書かれており、わかりやすい。雑誌の連載が元になっているようだ。いくつかポイントを挙げておく。

1.お金持ちになるための方法は実は以下の3つしかない
・収入を増やす
・支出を減らす
・資産を上手に運用する
→総資産=収入−支出+(資産x運用利回り)

2.私たち個人が持っている資産(資本)の全ては以下で表せる
・総資本=人的資本+金融資本
・金融資本=金融資産+不動産+年金資産+相続資産など
人的資本の価値は侮れない。若いときはこの価値を上げるべき。また、長く働くことでも人的資本は活かせる。ただ、リタイアすると人的資本ではなく金融資本中心の生活になる。それが投資を学ばなければならない理由である。

3.資産運用4つの原則
・確実に儲かる話はあなたのところへは絶対に来ない
・誰も他人のお金のことを真剣に考えたりしない
・誰も本当のことを教えてくれない
・自分の資産は自分で守るしかない

4.金融市場の見えざる手
・インフレなら通貨は下落する
・デフレなら通貨は上昇する
・金利の高い通貨は下落する
・金利の低い通貨は上昇する

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