トランスジェンダー・フェミニズム の感想
参照データ
タイトル | トランスジェンダー・フェミニズム |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 田中 玲 |
販売元 | インパクト出版会 |
JANコード | 9784755401565 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 女性学 » フェミニズム |
購入者の感想
やっとこういうことが語られるようになったのだなぁ。男女二元論を乗り越えていくには、こういうアプローチが必要だ。
どちらかといえば、薄い本である。読むのに時間はかからない。その中で、著者は何度も繰り返し、性の多様性を示す。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス。これだけでは多様性を示すには足りないことをも示す。
身体の性の面においても、社会的・文化的な意識上の性の面においても、性的な志向の面においても、性は多様だ。多様なものを組み合わせると、タイプ分けが不毛になるほど、多様になる。その多様性を示すことは、男女の二つにわけて語ろうというのが乱暴な手法であることを暴く過程になる。
この本の秀逸なところは、そういった性の多様性を語るときに用いられる言葉について、丁寧に解説を補っているところである。トランスジェンダーについて詳しくない人にもとっつきやすく、最初に手にとる一冊としてお勧めだ。
医療や司法行政の不備についての批判は、耳が痛い人もいるかもしれない。しかし、現に基本的な人権を享受することがしばしば阻害される人たちから目をそらさぬために、この本から世界はもっともっと豊かでありうることを学んでもらいたい。
その学びは、「自分の身体的な性別に違和感がない異性愛者」にとってもまた、性に関わる生きづらさを減じることにきっと繋がるだろう。
どちらかといえば、薄い本である。読むのに時間はかからない。その中で、著者は何度も繰り返し、性の多様性を示す。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス。これだけでは多様性を示すには足りないことをも示す。
身体の性の面においても、社会的・文化的な意識上の性の面においても、性的な志向の面においても、性は多様だ。多様なものを組み合わせると、タイプ分けが不毛になるほど、多様になる。その多様性を示すことは、男女の二つにわけて語ろうというのが乱暴な手法であることを暴く過程になる。
この本の秀逸なところは、そういった性の多様性を語るときに用いられる言葉について、丁寧に解説を補っているところである。トランスジェンダーについて詳しくない人にもとっつきやすく、最初に手にとる一冊としてお勧めだ。
医療や司法行政の不備についての批判は、耳が痛い人もいるかもしれない。しかし、現に基本的な人権を享受することがしばしば阻害される人たちから目をそらさぬために、この本から世界はもっともっと豊かでありうることを学んでもらいたい。
その学びは、「自分の身体的な性別に違和感がない異性愛者」にとってもまた、性に関わる生きづらさを減じることにきっと繋がるだろう。