やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山口 瞳 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101111346 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
ともにサントリーの社員だった山口瞳と開高健だが、その作風は
対照的である。行間の「間」を重視し、日常世界をユーモアと
アイロニー、時には悲哀をこめて淡々と描く山口、「非日常」「祝祭」
「饗宴」の世界を追求し、豪放で華麗な作風を誇る開高。その二人が
「サントリーの社史」という同じテーマに取り組むことで非常に興味
深い「小説」が生まれた。山口の担当する前半部分(戦前)は鳥井社長
を始めとするサントリーの人間模様に注目することでサントリーに
留まらない近代日本の「青雲の志」が描かれ、開高の担当する後半部分
(戦後)では(開高お得意の)戦後すぐのカオス的状況から現在の経済
的繁栄に至るまで足跡が華麗な文体で痛快に描かれている。巻末の
「サントリー窓際OL」によるサントリー社内レポートも面白い。
対照的である。行間の「間」を重視し、日常世界をユーモアと
アイロニー、時には悲哀をこめて淡々と描く山口、「非日常」「祝祭」
「饗宴」の世界を追求し、豪放で華麗な作風を誇る開高。その二人が
「サントリーの社史」という同じテーマに取り組むことで非常に興味
深い「小説」が生まれた。山口の担当する前半部分(戦前)は鳥井社長
を始めとするサントリーの人間模様に注目することでサントリーに
留まらない近代日本の「青雲の志」が描かれ、開高の担当する後半部分
(戦後)では(開高お得意の)戦後すぐのカオス的状況から現在の経済
的繁栄に至るまで足跡が華麗な文体で痛快に描かれている。巻末の
「サントリー窓際OL」によるサントリー社内レポートも面白い。