シズコさん (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルシズコさん (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者佐野 洋子
販売元新潮社
JANコード9784101354156
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » さ行の著者

購入者の感想

 佐野さんの本に興味をもち、さて、どの本から読もうか。 文句なく、シズコさん でした。
わたしも、父母に死なれました。戦中戦後を生き抜いた父母。貧しかった・苦しかった時代、子どもを大学にまでだしてくれた両親。
この本を読むことで、昭和という時代を、逞しく生き抜いた両親の姿にダブらせて読みました。
最初の1ページ目からして、胸をえぐられるような気持ちになりました。
親孝行って何だろう。 なんで、もっとやさしくできなかったんだろう。後悔しきりです。
この本は、おりにふれて、なんども読み返すことになりそうです。

 「シズコさん」は7人子供を生んだのだが,そのうち3人の男の子は子供のうちに死んでしまう。生き残った最年長の子供(長女)が「私」。
 でも,私は,母親には愛されていなかったと考えている。父親(私が19歳のときに死亡)は,私を愛してくれてはいたが,家庭内に緊張感しかもたらさないような人間だった。そんな母は,自分の家から嫁(私の弟の妻)に追い出され,私からも老人ホームに「捨て」られる。
 「私」は,過去の種々のエピソードを思い出しながら,母親との関係を見直していく。その際,「親は子供を愛しているはず。子も親を愛しているはず」という社会通念(建前)ではなく,「本当はどうだったのだろう」ということが,できるだけ克明に描写されていて,ある種,つらい本である。なぜなら,これを読んでいる私自身,両親に対してアンビバレントな感情を捨てきれずにいるから。
 両親との関係が良好な人には,筆者の苦悩は理解できないと思う。そうでなかった人は,是非一読して,自分と両親との関係を見直す材料にしてもらいたい。
 つらいけど,読んでよかったと思える本である。

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