「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫) の感想

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参照データ

タイトル「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)
発売日2010-08-21
製作者岩村 暢子
販売元中央公論新社
JANコード9784122053540
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

 中国正史の代表作と言われる「史記」ですが、この書物、記載される出来事の年代に関しては記事相互間の矛盾が散見され、研究者たちの真剣な議論のネタになっているのだそうです。

 本書は、この年代矛盾に関して、各種史書の記述振りや殷周時代の暦法を精緻に分析することにより、問題解決のための新しい体系的な編年法を提唱しています。

 また、周室東遷以前には中央政権が諸侯を霊的に威圧する手段として独占していた漢字が、春秋時代以降、徐々に諸国に流出するとともに世俗化していくこととなった経緯を解説しています。

 全般的に高度の内容となっており、特に編年に関する部分は学界での議論を反映した研究論文チックな記述となっています。木星の運行をはじめとする天文学的考察の加味など、学際的な観点から深い分析がなされており、また、「立年改元法」から「踰年改元法」への移行に対する着目など、オリジナリティの高い主張が展開されています。

 他方、水準の高さに見合って内容は些か難解であり、また、そもそも一般向けの新書で何故こんな専門的な問題を扱うのだろうかという素朴な疑問を禁じ得ません。大半の読者は、「よみがえる呪術と文字の帝国」というタイトルから、殷周王朝の神権的支配の状況や社会構造の特徴などについての解説を期待するのではないかと思いますが、本書の内容は、そうしたイメージとは全く毛色の違ったものとなっています。

 そんな次第で、本書については、中国古代の暦法や史記等の編年に強い問題意識をお持ちの向きに限っておススメすべきかなと思います。

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