「サル化」する人間社会 (知のトレッキング叢書) の感想

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参照データ

タイトル「サル化」する人間社会 (知のトレッキング叢書)
発売日販売日未定
製作者山極 寿一
販売元集英社インターナショナル
JANコード9784797672763
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学

購入者の感想

本書の趣旨は、このページの上の「商品の説明」に非常に的確に纏められている。つまり多くのフィールド・ワークに基づく著者の「霊長類学」に関する知見に従って、「『上下関係』も『勝ち負け』もないゴリラ社会」と「厳格な序列社会を形成し、個人の利益と効率を優先するサル社会」の特性を実証的に考察しつつ、現代人間社会に見える「個食や通信革命がもたらした極端な個人主義……家族の崩壊」という現象を、「人間社会は限りなくサル社会に近づいている」として「警鐘をならす」と共に、ゴリラの集団社会性の現代的意義(社会的平等性・帰属性と家族性重視など)を強調するものである。本書の構成・内容は、前記「商品の説明」の紹介の通りであるので、本稿では特に取り上げない。右紹介には多少センセーショナルなトピック(「睾 丸」の大きさやゴリラの歌など)が見受けられるが、これらは本書の中核となる第3〜5章において、進化論的考察、社会集団性(繁殖行動と競争、ペアリング、インセスト・タブーの存在など)の分析、集団内コミュニケーションの推論など、非常に興味深くかつ実証的客観的な論考で取り上げられているものである。

個人的に興味を惹かれたトピックは、ゴリラのオスのみの集団内で観察された(オス同士の)マウンティングが衝撃的であった(第3章)。著者はかかるゴリラの行動・性質は、人間においても「進化の遺産として受け継がれている」(90頁)と推測するが、ゴリラ集団の特性に関する他の分析と併せ考慮すると、説得力のある示唆であろう。またゴリラ集団内におけるペアリングと家族性、繁殖行動の競争の欠缺と人間を含めた「睾

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集英社インターナショナルから発売された山極 寿一の「サル化」する人間社会 (知のトレッキング叢書)(JAN:9784797672763)の感想と評価
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