オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか (知のトレッキング叢書) の感想

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参照データ

タイトルオオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか (知のトレッキング叢書)
発売日販売日未定
製作者山田 健
販売元集英社インターナショナル
JANコード9784797673029
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 環境保護

購入者の感想

タイトルを見て、栄養カスケードについて何か得るものがあるかと思ったが、あまりにひどいので呆れた。タイトルに「オオカミ」とつけられていなければこんなことは言わない。
タイトルに「オオカミ」を使い、オオカミのイラストを表紙に使っていて、さらにオオカミの生態系へのカスケード効果についての言及があるような思わせぶりな書名をつけておきながら、この著者がオオカミについて何も知らず、文献すら開いてもいないことは本文を読めば明らかである。しかもオオカミに関わるページはたったの1項目1ページである。「オオカミがいないと、“なぜ”ウサギが滅びるのか」というタイトルの「なぜ」への答えは本書の中にはない。

たとえば「増えすぎた鹿は、オオカミで解決できるか」という章におおよそ以下のような文章がある。

「オオカミの主食はシカではなく、もっと小さい動物だ。だから日本にオオカミが戻ってきたら、ただでさえ激減しているウサギやネズミなどの小動物が真っ先にいなくなってしまう」
「オオカミの復活などとバカなことを言ってはいけない。三百万頭のシカを減らすために何万頭のオオカミが必要か想像してみてほしい。何万頭ものオオカミが日本の山野を駆け回る姿など絶対に見たくない」

オオカミについて書かれた本を一冊でも参考に読んでいたらこのようなデタラメは、書けるはずがない。
オオカミの主食はシカではない?いったいどこの誰がそんなことを言っているのか、確認されたのだろうか。オオカミ研究者が100人いれば100人全員が主食は有蹄類(シカ、イノシシ)と言っているはずだが、著者は知っているのだろうか。
イエローストーンで再導入されたオオカミが、100頭から200頭の間を増減しながら、体重200kを超える大型のエルクジカを18000頭から4分の1まで減らした。イエローストーンのオオカミ研究者が全員一致で確認していることだ。オオカミは食べるだけではない。存在するだけでシカの行動が変わり、恐怖がシカの妊娠率に影響するのである。

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